株式会社青森銀行 | 新収益管理システムの導入による業務の再構築

「新収益管理システム」の導入により、各営業店においては、今まで以上に個別顧客に対する詳細な収益向上に向けた対策の検討が可能になりました。また、本部等の管理部門においても収益性を基準とした戦略の検討が可能になりました。このシステムにより、今後、同行のあらゆる部門が自ら考えて行動し、経営効率を向上させるためのツールとして活用されることが期待されています。

会社概要

青森銀行は、青森市に本店を構える地方銀行。青森県内を中心に111カ店の営業店舗を擁し、2003年度末の総預金は1兆9,702億円、貸出金は1兆4,131億円と地方銀行としては中堅規模に属しています。同行では2004年度から、かつてないスピードで変化する経営環境への対応と、経営基盤である地域との共存共栄を図るため、新中期経営計画をスタートさせました。 中期経営計画では、「豊かさを創造し、高い信認を得る地域のコアバンク」のビジョンのもと、「健全経営の追求」「収益力の向上」「法令等遵守の徹底」を経営指針として掲げています。その中期経営計画において、「新収益管理システム」の更なる活用による収益力の向上を指向しています。また、同行は1998年に、Teradataを導入して顧客データベースの構築を実施し、更に、2001年より原価計算をTeradataにより実施しています。

課題

長引く景気低迷に伴い、貸出金の伸び悩み、不良債権の増加、利ざやの縮小、有価証券の利回り低下など、昨今の銀行をとりまく事業環境は厳しさを増しています。
もはやボリューム増加による収益向上が望めない今日、コスト管理やリスク管理を高度化し、バランスのとれた営業展開が必要となっており、その解決策の一つが「新収益管理システム」の導入でした。 同行では1998年よりTeradataを導入し、顧客管理、原価計算管理を実践しており、今回はそこで構築したデータ分析ノウハウを一歩進めて、粗利益から原価計算によるコストおよび信用コストを差し引いた真の収益性の把握を、顧客別・店別・部門別など様々な切り口で把握することとしました。

ソリューション

まず、第一に「資金利益」を市場金利をベースとして算出する“スプレッド・バンキング手法”の導入を主な目的として「Teradata Value Family」を導入しました。
「Teradata Value Family」は損益全体を構成する収益要素(資金利益、役務収益、経費、信用コスト)をそれぞれ取引口座単位に計測します。特定の商品の料率改定や経費削減策の実施等によって「どの収益要素」で「どれだけの利益改善効果」を見込めるの かが明確になり、また、営業活動の費用としてその成果を個別の顧客、個別の取引の詳細にまでさかのぼって検証することが出来ます。これにより営業施策の改善、個別の顧客とのビジネス関係を具体的に、詳細に企画することが可能になりました。
第二に、「コスト」は、行員一人一人の活動(アクティビティ)を基準に、単価を設定して顧客別に算出するため「Teradata Value ABM(Activity Based Management)」を導入しました。
「Teradata Value ABM」は、商品や顧客ごとに詳細な原価管理を可能とします。また、経営管理ソリューション「Teradata Value Family」の原価管理ツールとして機能し、口座単位の収益まで統合的な把握を実現可能としました。これらの活用は、経営管理の強化をはかる金融機関に最適なソリューションとなります。
第三に、「リスク」としては「信用リスク」に関して、貸出先ごとの信用力に応じた将来の貸倒リスクを考慮し、顧客別に信用コストを算出して配分しています。これらにも「Teradata Value Family」の機能を利用しています。 そして、この粗利益から経費と信用コストを差し引いた“コスト控除後利益”を顧客別・営業店別など総合的に管理し、銀行全体の収益の向上を目指す体制となっています。
これらの機能以外に、シミュレーション機能やレポーティング機能なども装備されています。

導入効果

同行では2003年を新システムの試行期間と定め、まず5月に顧客別採算管理システムと呼ばれる機能が営業店にリリースされました。これは顧客ごとの資金利益や手数料収入などの役務利益の合計、活動基準原価計算法で算出した経費、信用コストを一覧として表示するもので、コストを控除した後の利益を一目で把握できるようになっています。これにより、一見預金量が豊富なことで優良顧客に見えていても、窓口業務などの事務負担経費がかかりすぎて、 実質的には赤字に陥っているなどといったことが容易に把握でき、効率の良いエレクトロニックバンキング取引を勧めるなど、顧客別収益の改善のための手立てが打てるようになりました。
さらに2004年度からは、店別収益管理システムを本格稼動させ、店別収益目標の設定や業績評価に活用することにより、銀行全体として収益・コスト・リスクのバランスのとれた営業展開を行うと同時に収益性を高めるためのツールとして活用しています。
一方、管理部門では、新収益管理システムで得た部門別収益状況を、IR用資料として決算説明会等で発表したほか、個人部門、法人部門、公共部門、市場部門といったセグメント別に資金利益、経費、信用コスト、コスト控除後利益をグラフで一覧表示し、同行の営業活動を透過的に示すことが可能となりました。

Teradata を採用した理由

同行では、1998年よりTeradataシステムをMCIF(マーケティング・カスタマー・インフォメーション・ファイル)の構築を目的として導入しており、そこでTeradataの実力が認識され、さらに2001年からは「原価計算システム」が構築されました。さらには、「Teradata Value Family」が同行の顧客単位での収益把握を行うニーズに合致したことから、Teradataによる収益管理システムの構築が実現しました。

新収益管理システムは、預金・貸出金口座明細約1千万明細に関する情報を保有しており、Teradataでは毎月その内容を最新データに更新しています。夜間バッチ処理で収まるスピードのため、営業店や管理部門が必要とするときにはいつでも利用可能です。データ検索速度に関しても「満足できるレスポンスを得ている」との評価を得ています。

株式会社 青森銀行 様