(国内最大級のデータウェアハウス&データ活用コンファレンス「Teradata Universe Tokyo 2013」セッションより)

大丸松坂屋百貨店 | 継続的なデータ基盤強化の推進により進化する「新百貨店モデル」を支える

新百貨店モデルとは、「お客様がわざわざ足を運びたくなるような、魅力的でかつ収益性の高い店舗を創造するための百貨店再生プログラム」です。百貨店本来の品揃えの維持・強化に加え、マーケットの変化に対応すべく、老舗百貨店の営業支援システムと情報系システムへの取り組みを紹介します。

データ活用をベースに高効率経営体制の確立を目指す

2010年、老舗百貨店であった松坂屋と大丸が合併し、発足した大丸松坂屋百貨店。現在、札幌から博多までの全国主要都市に計20店舗を展開しています。大丸松坂屋百貨店では、「お客様がわざわざ足を運びたくなるような、魅力的でかつ収益性の高い店舗の創造」という考えに基づく「新百貨店モデル」の構築に向け、マーケティングの強化や店舗戦略の立案と推進、業務運営体制の革新を継続的に推進しています。
具体的には、百貨店が本来得意とする中級から高級ゾーンの品揃えを維持・強化しながら、ライフスタイルのカジュアル化や節約志向、価格志向というマーケットの大きな変化に対応するため、各店における店舗戦略の明確化と徹底を推進します。そして、「対象顧客層の拡大」、「品揃え幅の拡大、特に価格幅の拡大」、「スペシャリティゾーンの開発」、「高効率経営体制の実現」を目指した施策を展開しています。
こうした新百貨店モデルの実現に向け、同社ではそれを支える「営業支援システム」や「情報系システム」の強化を継続的に進めてきました。まず「営業支援システム」では、取引先の勤務者(テナントの店員など)の入店申し込み申請を Web経由で行える「お取引先勤務者申請Webシステム」や、同じく店舗で働く勤務者入店時の規則を解説する「eラーニングシステム」、さらには百貨店側と取引先販売員のコミュニケーションの場となる SNS「さくらパンダ情報広場」などを構築しています。加えて、専門スタッフがお客様に対し、カラーコーディネートや着こなしについてアドバイスを行う「ファッションナビ」、顔の骨格や筋肉の付き方などの特徴を生かしたメイク方法をアドバイスする「コスメナビ」など、いずれもタブレットを活用した販売促進用ツールを整備しています。
これらに加えて、Teradata上に蓄積されたデータから抽出した各種データマートと、ビジネス・インテリジェンス(BI)ツールを融合した「売り場効率分析システム」も構築しています。ポータルサイトから全国の百貨店ごとの売上高や利益率、利益高、客数、客単価、みなし利益などを指定された期間でフロア別、ショップ別に検索し、棒グラフや表などを使って可視化できるような仕組みを実現しています。こうしたシステムの活用により、取引先の運営する売り場についての説得力のあるカウンセリングやプロデュースが可能となりました。

顧客分析担当者から全従業員、取引先にも分析ツールを解放

一方の「情報系システム」では、「顧客情報システム」と「MD(マーチャンダイジング)情報システム」の両面から強化を図ってきました。まず、「顧客情報システム」では、2つのシステムが稼働しています。1つは Teradata の Relationship Manager を採用した「顧客分析担当向けシステム」です。複数セグメント、複数オファー、複数(オムニ)チャネル、複数ステップ(フォローアップ)によるマーケティングの自動化と効率的な管理に向けた非定型分析を支援しています。また、「J-CIS」という一般利用者向けシステムでは、年齢分析やデシル分析など、さまざまな角度からの顧客の分析・検証を支援します。担当者が自分で顧客を選び、ダイレクトメール(DM)などの販促メールを送信するといったことが行えます。大丸松坂屋百貨店では、この J-CIS を自社の従業員だけではなく、売り場にショップを展開する取引先にも開放し、取引先150社、500 のショップが活用しています。
講演風景「MD情報システム」では、商品の需要動向をさまざまな単位で把握したり、商品のデザインや素材、単品(SKU)による仕入れ、販売情報の閲覧などが可能となっており、全従業員が利用可能です。ユーザー・インターフェースには、日本テラデータの Access Navigator Light を採用することで、誰でも容易に使いこなせる操作環境を実現しています。
今後も大丸松坂屋百貨店では、ネット通販の拡大やスマートデバイスの普及といった市場動向も見据えつつ、さらに進化を続ける新百貨店モデルを支えるべく、システムの拡充に注力していく予定です。

(本事例は、国内最大級のデータウェアハウス&データ活用コンファレンス「Teradata Universe Tokyo 2013」のセッションで発表された内容です。)