株式会社広島銀行 | 統合顧客データベースをTeradataで構築

広島銀行は、2003年の福岡銀行との共同基幹システム稼動にあわせて、汎用機による情報系システムを活用したEUC(エンドユーザー・コンピューティング)の展開を開始しました。その後、高度化する本部のデータ活用に対応するため、あらゆる顧客情報を長期間時系列に保有する統合データベースとして、Teradata を導入しました。これにより本部の要望に柔軟に対応できるようになり、データマートの乱立も抑えることができるようになりました。

会社概要

広島銀行は、広島県広島市に本店を構え、県内を中心に177か店の営業店舗を擁する地方銀行です。2005年3月末の総預金は5兆1,313億円、貸出金は3兆8,851億円と地方銀行の中でも上位に位置しています。同行では、『地域社会との強い信頼関係で結ばれた、頼りがいのある<ひろぎん>を構築する』という経営ビジョンのもと、地域金融機関として地域経済の活性化に積極的に取り組んでいます。また、2005年度から『お客さまにとって真に頼りがいのある銀行』を目標とした中期経営計画をスタートさせました。その中期計画では、

  1. 厳正な法令等遵守態勢の確立と地域貢献への取り組み強化

  2. セグメント別顧客戦略の徹底と総合金融サービスの積極展開

  3. 営業推進体制の強化・効率化とコスト構造改革の推進

  4. 統合的な内部管理態勢の構築

 

 

の4つを基本方針とし、「お客さまの真の信頼に足る行動の実践」と「安定した収益力の発揮と磐石な財務体質の構築」を経営の 両輪として強力に展開しています。

課題

1999年、広島銀行と福岡銀行の間で、勘定系・情報系システムを中心にした基幹システムの開発および運用の共同化について基本合意がなされ、2003年1月、広島銀行はシステム共同化による基幹系システムの運用を開始しました。
システム共同化は、当時の経営課題の一つであったシステム戦略のあり方を再構築したもので、『情報系システムを中心に機能強化』『スピーディな開発体制確立』『システムコストの抑制』という効果を実現するものとなっています。 システム共同化ではIBM社汎用機で構築した情報系システム(以下 DWH)も両行共通基盤として備えており、広島銀行ではこの DWH を活用して EUC(エンドユーザー・コンピューティング)を展開してきました。その一方で、DWH ではカバーし切れない本部からの要望に対しては、個別にデータマートを構築することによって、きめ細かな対応を行ってきました。
しかしながら、EUC が本部に浸透していくにしたがって、データ活用は多様化、高度化するようになりました。変化・増加する要望に対して柔軟かつ迅速に対応していくためには、共通基盤である DWH や個別のデータマートを継続的に改訂し続ける必要があり、開発コストの増加や開発負荷の増大が浮き彫りになってきました。
一方、システム共同化のパートナーである福岡銀行では、当時 Teradata を既に 導入していたため、同様な課題に対しては Teradata を使った EUC で対応しており、開発コストの抑制を実現していました。共同化によるシステムコスト効率を高める観点からも、Teradata を導入し EUC 強化する方策も検討されました。
しかし、当時の広島銀行と福岡銀行とでは本部のデータ活用に対する考え方に違いがあったことから、広島銀行でも福岡銀行と同じ Teradata システムを導入すれば良い、とするような単純な結論には至りませんでした。あくまでも広島銀行のビジネスの方法に合致したデータ活用環境のあり方と、それに対応するシステム構築が求められ、結果として独自にデータマートを強化していく方針を採用していました。

ソリューション

同行は、Teradata4980 サーバー 2 ノード、ディスク容量 5.8テラバイトの Teradata システムを採用しました。また、データロードユーティリティである FastLoad、エンドユーザーのデータ検索ツールとして Teradata が開発した汎用検索ツール AccessNavigator (アクセスナビゲータ)を利用しています。

導入効果

まず、広島銀行では DWH が保有している幅広いデータの中から、主に本部の分析業務に必要なデータを時系列で Teradata に蓄積しました。これによって本部ユーザーは、DWH の検索速度やテーブル間ジョイン数といった事実上の制約から解放され、より効率的な業務が可能になりました。エンドユーザーは、AccessNavigator を使用することで、Teradata に蓄積された時系列データを任意の切り口で簡単に抽出することができます。また抽出したデータは Excel等で 2 次加工し、行内での各種資料として利用可能です。この新しい EUC 環境を提供したことで、本部のデータ活用の幅は大きく広がりました。
一方、新たに発生する要望に対応する場合、IT部門は Teradata 上に目的別テーブルを用意することで、都度構築していたデータマートの乱立を抑制することができます。その結果、システム管理やデータ管理の負荷が軽減されました。
データセキュリティの面でも、リスクを軽減しやすいというメリットを享受しています。またTeradata はデータの追加に際し、ロードユーティリティを使って容易にデータ追加が出来るという点も、IT部門の効率化に貢献しています。
Teradata の活用範囲を広げることで DWH の負荷を軽減し、汎用機への追加投資を抑制することができることから、業務内容に合わせて Teradata と DWH を使い分け、行内のシステム資源利用の最適化、すなわちトータルシステムコストの抑制につなげることが出来るようになりました。
また、広島銀行と福岡銀行の両行が Teradata を選択したことで、今後のシステム共同化の変更にともなう Teradata 側の対応も共通化が可能となり、システム運用コストの抑制にもつながりました。

Teradata を採用した理由

当時、広島銀行と基幹システムを共同運用している福岡銀行では、本部ユーザー向け EUC 環境として Teradata を導入していましたが、広島銀行ではあくまで独自の視点から他ベンダーの製品も含めて慎重に検討をすすめました。その結果、『膨大な明細データを蓄積し、あらゆる角度からのデータ分析に柔軟に対応する』という課題に対し、Teradata の優れた検索性能や運用負荷の軽さが評価され、最適なデータベースとして、Teradata システムの採用を決定しました。

基幹系システムの共同化プロジェクトが完成した後、情報系システムの高度化が一つの課題となりました。Teradata については、共同化システムのパートナーである福岡銀行さんが採用していたのでおよそのことは聞いていましたが、当行は「自分たちの課題を解決するために最適な仕組みはどのようなものであるか」、について先入観を持たずに十分な検討を行い、その結果として Teradata を採用しました。
実際に導入してみて、Teradata の処理能力は高いものがあると思います。現在は本部のデータ分析用として利用していますが、既に次のステップとして、Teradata を基盤とした経営管理系システムの構築に着手しています。


株式会社 広島銀行 様