株式会社イトーヨーカ堂 | Teradata を商品情報分析に活用し、「変化への対応と基本の徹底」を実現

背景

株式会社イトーヨーカ堂では、「変化への対応と基本の徹底」という同社のスローガンに基づき、消費者ニーズの変化に即応し、お客様に支持される売場作りを目指しています。

目標

バイヤー、ディストリビューターが個店とそれを取り巻く商圏に対応できる売場を作るために、最適な商品の投入とアロケーションをできること、またそのために必要な情報に即座にアクセスできることが目標でした。

結果

Teradata の導入により、チェーン内全てにおける売上/仕入/在庫などの商品の動きについて、統合的に、しかもかつ迅速に把握することが可能になりました。結果的に、バイヤー、ディストリビューターはこれらのデータを活用して、取引先との交渉、バイイング、個店ごとのアロケーション、店間移動、価格設定といった日常的な意思決定から、長期的な商品計画、店舗や売場の展開計画といった戦略的な意思決定までを行うことが可能になりました。

会社概要

同社は、総合量販店として、衣住食フルラインの品揃えを行っており、北海道から東北、関東地方を中心に約 180 店舗をチェーン展開しています。「変化への対応と基本の徹底」 というスローガンのもと、「単品管理」を積極的に推し進め、業界でも最先端を行く、世界に冠たるシステムを構築していることでも有名です。

課題

同社は、成熟した消費者需要と購買文化にある昨今において、消費者はある特定の商品に対して購買動機や需要を抱き、類似の商品や代替の商品ではなく「単品」に対してロイヤリティを持っているという前提に立ち、商品管理において最小の単位で商品の動向を捉えていく「単品管理」という手法に取り組んでいます。このため、エンドユーザーであるバイヤー、ディストリビューターは、商品、地域、店舗によって異なる購買パターンを認識しなければならず、単品毎、もしくは商品カテゴリー毎に違ったデータ分析を実施する必要がありました。商品情報システムにも、これらのデータを柔軟な切り口で分析できることが求められました。また、同社では土日の売上ピークの結果を元に、月曜日から当週の商品展開を組み立てており、月曜日に集中するデータ分析に対応できるシステムであることも重要な要件でした。

ソリューション

同社はこれらの条件に対応できるシステムとして、Teradataデータベースを採用しました。約 2.3TBのデータ容量を擁し、3,000名を超えるユーザーがオフィス、店舗等からアクセスすることが可能です。同システムは、イトーヨーカ堂専用機として株式会社野村総合研究所が運用し、同社の全店の単品について前日分までの売上データが翌日には検索できる環境となっています。同社のデータベースは売上、在庫、仕入、発注等の商品の動きが把握できるようになっており、店別/ゾーン別といった地域軸、単品も含めた商品分類軸、日/週/月といった時間軸での見方が可能です。また、エンドユーザーが担当している商品や店舗等、自由な切り口を設定して非定型的な分析を行い、取引先との交渉やアロケーション、売りきりのための店間移動、価格設定などの意思決定ができるよう支援します。さらに、検索条件の保存や呼び出しも可能となっています。

導入効果

同システムの導入によって、エンドユーザーは次のようなメリットを享受できるようになりました。

  • 月曜日の仮説/検証段階におけるスピーディな意思決定
    エンドユーザーが設定した担当商品カテゴリーや店舗に対する仮説について、週末の結果を月曜日に検証してそれが正しかったのか、間違っていたのかを把握し、品揃え、売場の改善を行いながら次の週末に備えることが可能になりました。

     

  • より掘り下げた分析
    例えば担当している商品カテゴリの結果が良かった場合も、悪かった場合も、「なぜ良かったのか」、「なぜ悪かったのか」という形で、商品カテゴリから単品に掘り下げ、どの商品が売上を牽引していたか、またどの商品が足を引っ張っていたかを追及します。さらに先週と比較してどうだったのか、他店と比較してどうだったのか等、切り口を変えて分析して原因を追求することが可能になり、必要なマーチャンダイジング上のアクションを取ることができるようになりました。

     

  • 個店対応が可能
    商品のアロケーションをする際には、どの店のどの売場にどれだけの商品があるかという現在の在庫と、そこにどういった商品を並べるかという判断が必要になります。また店舗規模、商圏特性や現在の売れ行きも鑑みながらアロケーションをすることも重要です。商品のライフサイクルが短くなっている現在では、バイヤー、ディストリビューターは年間を通じて膨大な数の商品を扱っています。また日本列島を縦断する店舗群は温度差、気候等それぞれ置かれている環境が違います。これらの店舗群を個別に特徴づけ、膨大な商品の中から適切な商品を適切なタイミングで提供することが求められています。同システムの導入によって、これらの判断をスピーディに行うことができるようになりました。

Teradata を採用した理由

同社の商品情報システムには、以下のような要件が求められました。

  • 膨大な同時検索ユーザー数に対応できること
    月曜日に集中する検索、また掘り下げた分析をするということからも検索回数が増加し、これらのユーザーに対してスピーディに検索結果を返答できることが必要になっていました。

     

  • さまざまな検索パターンに対応できること
    担当する商品カテゴリや立場によって検索のパターンはさまざまであり、また同じ商品の分析を行う際にも、タイミングによっては見方が変わります。実際、同社の検索条件をサンプリングしてみると、標準的に 5つ以上のデータ・テーブルからデータ項目を結合(Join処理)して一つの検索結果を作り出しており、これらの非定型的で複雑な処理をサポートできることも重要でした。

     

  • 店舗数、商品数の増加に対応できる拡張性があること
    同社は、それらの要件(同時接続ユーザーのサポート、非定型複雑検索のサポート、拡張性のサポート)を満たす唯一のデータベースとして、Teradataを採用しました。

     

同社の情報システム部総括マネジャーの岡村洋次氏は「我々のように衣住食フルラインの品揃えを 180 を超える店舗で展開していくには Teradata は必要不可欠なシステムです」と語っています。現在、商品情報システムは非定型的な検索に使用されていますが、非定型検索によって捉えた消費者需要の変化を仮説としてチーム全体で共有すること、すなわち非定型検索から臨時の定型的な評価レポートに落としこみ、評価レポートに基づき、チーム一丸となって毎日の基本的な業務を徹底するために活用していくことが今後の課題となっています。

結果によって採るべきアクションが明確な場合は、定型化によって迅速に結果を提供することが重要です。この場合の結果とは "Information" と定義できるでしょう。しかしながら、何度もコンピュータと対話しながら原因を追求しないと取るべきアクションが見つからない場合には、非定型的な検索、つまり "Information" を組み合わせた "Intelligence" が必要不可欠です。さらに非定型的な検索で発見した "Intelligence" をチームで共有し、あたかも定型的なレポートとして日常の仮説検証プロセスに活用していくことが求められているのです。そして、これにふさわしいデータベースが Teradata なのです。


株式会社イトーヨーカ堂
情報システム部 総括マネジャー
岡村 洋次 様