加藤産業株式会社 | 国内大手の食品卸売業者が、経営情報の高度化による戦略立案・意思決定支援にTeradataを活用

背景

卸売業を取り巻く事業環境は、小売による卸の集約化や価格競争の激化を受けて生き残りをかけた競争下にあります。このような状況下、経営情報の共有化・高度化を目指し、新商流プロジェクトを発足させ、情報システムでの対応を検討しました。

目標

新商流プロジェクトでは、「経営情報の高度化による戦略立案・意思決定の支援」「業務の効率化によるローコスト経営の実現」「営業支援基盤の強化と取引先とのネットワーク構築による営業力強化」の実現を目標としました。

結果

同社では、データウェアハウスを中核に構築した「KEIDS(Kato Effective Information Datawarehouse System)」によって、経営情報の共有化、高度化を実現しました。これは、管理会計、採算管理、物流費管理を目的とし、管理指標や管理ポイントを明確にしながら、各階層における役割、責任に応じた情報を多様な切り口でほぼリアルタイムに提供しています。このことにより、各階層で行うべきマネジメントが明確となり、例えば支店長であれば、企業経営者の立場で支店を運用するといったように、より上位の目線でビジネスを捉え、意思決定することが可能となっています。各階層での迅速なディシジョンは企業として大きな武器となっています。

会社概要

同社は、兵庫県西宮市に本社を置く、加工食品、冷凍・チルド食品、菓子類等を取り扱う総合食品ホールセラーです。全国に 30ヶ所の営業拠点と 80ヶ所の物流拠点、1ヶ所の工場による事業展開は国内でも屈指のものです。また、消費トレンドを先取りする形で、これまで「カンピー」シリーズや「グリーンウッド」といったプライベートブランドも多数開発し、自社工場や協力工場で一貫して生産を手がけることにより、高品質、低コストの商品を提供しています。

課題

同社を取り巻く事業環境は、生き残りをかけた競争下にあり、この状況を生き抜くために、次のような課題に取り組む必要がありました。

  • 将来活用すべき管理指標や評価ポイントの検討

  • 得意先ごとの損益及びコスト把握

  • データの活用、管理目的(誰が何をいつ見る、また何をどのように判断する)や体系の確立

  • 的確な物流費の把握

 

また、これらを実現するための方向性導出の切り口として、管理会計(財務諸表、経営指標)、採算管理(販売管理、損益管理)、物流費管理の各システムを新たに構築する必要がありました。特に採算管理として、日々リアルタイムによる売上総利益、営業利益の把握、計画の進捗把握、計画との差異分析とそのフィードバックの実現が重要課題としてあげられました。

ソリューション

同社の「データウェアハウス新商流システム」構築において、膨大な明細データの活用、情報集計期間の多様化(期、四半期 月、日、随時)、レスポンス/処理の高速化及びリアルタイム化を実現する必要がありました。また、今後更に増加することが想定されるユーザー数や、多様化する検索/分析要件にも対応していく必要がありました。そこで、Taradataデータベースを採用し、「データウェアハウス新商流システム」構築を実施し、上記課題の解決に取り組みました。またハードウェアとしては、Teradata超並列処理サーバー(4ノード)を採用し、そのディスク容量は 8TB にのぼります。これらのシステム導入により、以前までは数時間後にしか出なかった出力結果が、数十分後にデータウェアハウス上で出力可能になり、また検索レスポンスが大幅に改善されました。

導入効果

基幹システムで発生した取引情報を発生都度 Teradataに取り込み、逐次更新することで、リアルタイムに全社から担当者、得意先、仕入先ごとの売上総利益、営業利益の把握/管理を実現しています。また、新会計システム(SAP)との連動により、得意先別、仕入先別の費用把握を実現したことで、各組織階層における役割責任に応じた費用管理情報を取得/管理でき、利益を圧迫しているコスト構造の把握とその是正を行うことが可能となっています。
計画データも費用と同様に、得意先、仕入先に細分化(配賦処理)し、それを営業日按分することで、理論上の売上総利益営業利益の把握を可能とし、理論上の数値と実績とを対比可能にしています。その差額がアラームとなり、計画の見直し、原因追及等のアクションを行うことができるようになっています。
また、各担当者の目的/ITリテラシーに応じた情報照会ツールとして活用中の非定型検索ツール「Access Navigator」に加え、簡単な操作で分かりやすい情報の提供、集計の高速化を実現するために定型検索ツール「Tera Web Report」を導入しています。定型帳票数は、ドリルダウン画面を含め 175画面あり、問題点の発見、分析、確認を進めていくことが可能です。合わせて、多次元分析として OLAPツール「PowerPlay Web」を導入し、経営層から現場担当者まで適切な情報提供を実現しています。現在、同システムへのアクセスユーザー数は約1,650人です。また、ピーク時のアクセス件数は、約30,000回/月を超え、システムの導入が間違いの無いものであったことを物語っています。

Teradata を採用した理由

同社では、膨大な明細データを蓄積/管理でき、あらゆる切り口での集計/分析が可能であること、またその処理/検索レスポンスの高速化が実現できることを前提にデータウェアハウスの導入を考えていました。このように同社が考えていたデータウェアハウスの構築と運用において豊富な実績と経験を持っていたことが Teradata採用の大きな理由でした。また、ビジネスニーズに応じて拡張できる柔軟性があること、及びデータウェアハウス運用管理が容易なことも採用理由の一つでした。
現在、専任のデータウェアハウス管理者は置いておらず、また今後益々増加する複雑な分析要求と更に求められる応答レスポンスの高速化にも十分対応できると考えています。現在、このデータウェアハウス新商流システムは、基幹システムの一部としてなくてはならない存在となりました。今後のシステム拡張への対応及び安定稼働運用が必要となってきますが、それにも Teradataのシステムは十分対応ができると考えられています。

加藤産業の一日の業務は Teradata に始まり Teradata に終わると言って過言ではありません。食品卸として仕入先メーカーさんが心血注いだ商品の一品一品を、お得意先小売業さまの店頭へお届けするまでの業務プロセス全てに亘る膨大な情報を蓄積するとともに、様々な切り口で、データの抽出・加工を行い、お得意先への提案や営業サポート、自社の利益管理、戦略構築に欠くことの出来ない機能となっています。現場ユーザーがストレスを感じない精度と迅速さで、食品ビジネスというキャンバスに最新の情報データをふんだんに使ってフリーハンドで画を描けるのが加藤産業の Teradataシステムです。

加藤産業株式会社
取締役 システム本部長 兼 情報システム部長  弥谷 惠太郎 氏