株式会社京王百貨店 | 現場のニーズに応え、組織としての顧客データ活用をTeradataで実現

京王百貨店では、Teradata を中心に据えた新顧客情報システムを稼働させ、90万人の会員データを一元管理できる基盤を構築。効果的な RFM分析によるターゲット顧客抽出の最適化を実現し、ダイレクトメール送付対象顧客の来店・購入率の引き上げに成功しました。また、店舗別の購買傾向を分析し、仮説に基づいた店舗別顧客戦略/キャンペーン戦略を立案できるようになりました。現在は、売り場を越えた企業としての情報分析のベースとして運用されています。

会社概要

株式会社京王百貨店は 1961年に設立され、東京・新宿と、多摩地区の聖蹟桜ヶ丘の 2店舗で営業しています。
「人のよろこびを大切に」を基本理念として掲げ、お客様を第一に考えた店舗づくりを進めながら、新宿という百貨店激戦区において独自路線を打ち出し、団塊世代をターゲットにした営業施策を積極的に行うなど注目されています。
現在、「新・大人生活へ」をストアコンセプトとして位置づけ、その具現化による顧客満足度の向上を図っています。

課題

京王百貨店では、1989年から CRM への取り組みを行ってきました。国産メーカーの流通業向けパッケージと顧客情報システムを連携させたシンプルなシステムで、これに POSデータを取り込んで、主にダイレクトメールの送付対象者の抽出に使用していました。
1998年にはこのシステムに改良を加え、顧客の購買履歴や関連購買情報など 27種類の基本情報を抽出できるシステムとしました。しかし、一定の抽出条件しか選択できず顧客データとしての汎用性に欠けていたこと、帳票出力という縛りがあったため集計は月間に限定されていたこと、また時代とともに必要とされる顧客情報が変化したことなど、対応しきれない部分が出てきたため、新たな顧客情報システムの構築が課題となってきました。

ソリューション

2002年末、同社はこれらの課題を解決しさらなる機能強化を図るため、次期システムの開発に着手しました。
2003年10月には、Teradataデータベースを導入し、将来的に CRM の中心となるデータウェアハウス「新顧客情報システム」を構築し、運用を開始しました。新顧客情報システムでは、顧客政策担当者だけでなく営業部門の特定端末からもアクセスでき、ユーザー権限者であれば顧客分析情報(ただし、個人情報に該当する顧客情報は除く)の検索、活用が可能となりました。これにより、経験と勘に頼っていた顧客実態を正確に把握し、営業活動に活用できるようになりました。
併せて、京王グループ共通のポイントサービスを提供する「京王パスポートカード」、外商顧客を対象とする「京王クレジットカード」、優待販売やイベント情報などを提供する会員組織である「京王友の会」の合計 90万人の顧客データを統合することができました。
なお、同社では顧客データを守るため、厳しい個人情報管理を実施しており、誰が何を買ったかという個人が特定できる情報を閲覧できるのは、顧客政策部のスタッフ約10名に限定しています。

導入効果

Teradata導入による効果のひとつに、RFM分析ができるようになったことが挙げられます。RFM の R は最新購買日、F は購買日数、M は購買金額を指します。
京王百貨店では、Teradata を導入する以前は、購買金額を中心とした傾向分析を行っており、基本的には購買金額上位の顧客を対象として、プロモーションを実施してきました。
導入後、最新購買日のデータを DM送付対象顧客の抽出に活用したところ、DMヒット率の大きな改善が見られました。2003年末のクリスマス商戦では、DM送付対象となった顧客のうち 40%を超える顧客が来店し、キャンペーン対象商品を購入したという結果が出ました。現在では、購買日数のデータも活用し対象をさらに絞り込み、かつ効果が上がるプロモーションへの取り組みを続けています。
また、RFM分析をはじめとした顧客分析などから顧客セグメントが可能となり、それに応じたプロモーションを実施することができます。的確なアプローチ方法を見極め、優良顧客の固定化や新たな優良顧客の創出、離反顧客の防止を図ることにより売上高の維持・向上につなげ、さらにはプロモーションの効果や顧客の購買パターンの分析を進めることにより、効率的な販促費行使や MD への反映などにも活用すべく検討しています。
加えて、地域別の購買傾向をつかめるようになったことも顧客戦略策定に大きな効果を発揮しました。それは、都市ターミナル型である新宿店と、郊外のベッドタウン型である聖蹟桜ヶ丘店で大きな違いがあることが明らかになったということです。大きなキャンペーン・イベントを行うときに、新宿店も聖蹟桜ヶ丘店も売上高は増えるのですが、売上高に対する組織顧客の比率は、新宿店では下がり、聖蹟桜ヶ丘店では上がります。これは、新宿店がターミナル型で広く新規顧客を集めたのに対し、聖蹟桜ヶ丘店は多摩市、府中市、日野市、八王子市などの地元商圏を確実に取り込んだ結果と言えます。
この結果を軸にすれば、キャンペーン・イベントを行うときには、新宿店は新規顧客獲得のための、聖蹟桜ヶ丘店は売上高アップのための手段として既存顧客の来店を促すような戦略がとれます。

Teradata を採用した理由

同社が Teradata に求めたものは、これまでの経験の延長線上にある目標達成でした。顧客のニーズやロイヤリティを確実につかみ、それに応えたいという思いは、スタッフの長い経験のなかで問題意識として共有されてきました。この自然な流れのなかに、Teradata と新顧客情報システムがうまく融合したのです。
この新顧客システムの稼働により、売場が求めていた情報を自在に提供できるようになるといった、顧客政策部にとっての大きな課題が解決されました。
売場のニーズに応えるだけではありませんでした。売場には売上アップに繋がる情報が必要となります。その一方、京王百貨店という企業としての視点に立つと、売場という範囲を越えた情報をつかみ、活用したいというニーズが出てきます。
Teradata を基盤とした新顧客情報システムは、このニーズに応えることのできるシステムとして、高く評価されています。

私達は、Teradata をたくさんの情報の中から有効な情報を迅速に導き出し、「顧客データベースをいかに売上に結びつけるか」という命題への答えを導き出すベストツールだと考えています。多様化するお客様のニーズをお客様の視点で見つめ、より充実した当社のマーケティングを展開していくパートナーとして、今後も進化する Teradata に大いに期待しています。


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