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データ利活用から導き出す”答え”とは?|「コネクテッドカー」技術にまい進する日産自動車

※ここに掲載しているコンテンツは、日本経済新聞 電子版広告特集「データ利活用から導き出す”答え”とは?」として、2019年11月に掲載されたものの転載です。


1990年代という早い時期からコネクテッドカーの研究開発とサービス化に取り組んできた日産自動車(以下、日産)。通信環境の高速化、大容量データの処理能力向上といった技術革新の後押しもあり、自動車のデータを分析・利活用する新しいビジネス/サービスの提供を本格化させている。果たして日産は、データ利活用によって何を目指そうとしているのか? 日産でコネクテッドカービジネスを担当するコネクテッド技術開発&サービスオペレーション部 部長の村松寿郎氏とデータ分析プラットフォームを提供する日本テラデータ ビジネスコンサルティング事業部 事業部長の川村佳世子氏の対談を通じてその“答え”に迫る。

データ利活用で「品質と利便性」の向上を目指す

------コネクテッドカーはいま、自動車業界における最重要トレンドであり、自動車メーカー各社とも技術開発にしのぎを削っています。そうしたなか、日産はいかなるコネクテッドカー戦略を展開し、どのような取り組みを進めているのでしょうか。

日産自動車株式会社 コネクティドカー&サービス技術開発本部 コネクテッド技術開発&サービスオペレーション部 部長 村松 寿郎 氏

村松   日産がコネクテッドカーに取り組み始めたのは、90年代初めにさかのぼります。その当時、コネクテッドカーという言葉はまだ存在せず、自動車業界では「テレマティックス」と呼んでおり、日産では「コンパスリンク」「カーウイングス」といった名称のテレマティックスサービスを提供してきました。

 テレマティックスのコンセプトは、“つながるクルマ”を世の中に送り出し、いろいろなサービスを提供しようというものですが、これはコネクテッドカーと呼ばれるようになった現在でも、なんら変わることはありません。この間、情報通信技術の発達に伴い、コネクテッドカーが提供できるバリューの幅もさらに広がりました。

 とくに日産がコネクテッドカーを通して実現したいことは、お客様へのより良いサービスの提供とともに「データの収集」です。データを収集することにより、自動車を利用するお客様を知ることが、日産のコネクテッドカー戦略が目指す大きなポイントです。日産単体では主要市場で発売するすべての新型車をコネクテッドカーにするという目標を立てて取り組んでいます。


------データ利活用についての日産の考え方を教えてください。データ利活用に取り組むことの重要性をどのようにとらえていますか。

村松 どの自動車メーカーも同じですが、データ活用の目的はクルマや部品の品質を高めることです。もちろん、お客様に対するサービスを良くするためのデータ活用もありますが、自動車メーカーの日産としては、やはり品質の向上が一番の目的だと考えています。

 日産は世界初の量産型電気自動車として、2010年に「リーフ」を発売しました。このリーフは、いわば最初の本格的なコネクテッドカーです。大容量バッテリーの電気を使ってモーターで走るリーフは、データを収集してクルマが想定外の振る舞いをしていないかということを常にモニタリングする必要があります。何か問題があれば、すぐに対応できるようにするためにも、データ活用が欠かせません。


日本テラデータ株式会社 ビジネスコンサルティング事業部 事業部長 川村 佳世子

川村 日産では収集したデータをクルマの品質を高めていくための次の開発、あるいはマーケティングの手段として活用していますが、そうした取り組みは結果的にクルマを利用する消費者にとっても、きわめて有用だと思います。データを分析した結果に基づいて、消費者に新しい使い方を提案できるようになり、データ活用の価値をさらに高めることにつながるからです。

 日産は90年代からコネクテッドカーの開発に取り組んできたこともあり、データ活用の価値に着眼してきました。そうした長く豊富な経験が現在の大きな実績に結びついているのだと感じました。


日産リーフは2010年の発売以来、全世界の販売累計が40万台超という実績を達成しており、自他共に認める「世界で最も売れている電気自動車」だ。世界市場で「電気自動車は日産」というブランドを築き上げ、コネクテッドカー領域でも挑戦を続けている。

 2016年には「ニッサンインテリジェントモビリティ」というコンセプトを発表し、リーフで培った電気自動車技術に加え、先進運転支援技術の「プロパイロット2.0」なども市販車に搭載している。

データ活用で広がり続ける新たなビジネス

------自動車メーカーとしてクルマの品質向上、さらには利用者の利便性向上にデータを活用しているとのことですが、日産ではデータ活用から新しいビジネスやサービスを創出するという取り組みも進めていると思います。具体的に、どのようなビジネスやサービスが生まれていますか。


村松 日産のコネクテッドカーから取得したデータが当社のデータセンターに蓄積され、そのデータセンターに第三者のサービサーがつながって、新しいサービスを提供するというビジネスは今後増えていくと考えています。

 すでに実用化されているサービスとしては、コネクテッドカーの走行実績データを自動車保険会社が使って“走った分だけの保険”を提供したり、フリートマネージメント(車両最適活用システム)に利用したりという事例があります。保険会社ではさらにデータを分析し、安全運転を指南するというサービスを提供しているところもあります。こうした取り組みは、保険金支払いという支出を削減するとともに、保険契約者の囲い込みにも有効だと考えられています。

 ただし、コネクテッドカーから取得可能なデータの中には、プライバシーの観点からセンシティブなデータが出てくることはあり得ます。どこまでデータに踏み込んで良いのかは、きちんと線引きする必要があります。このような問題を解決するうえでも、コネクテッドカーによってどれだけ利便性が向上するのかということを訴求して、お客様に理解いただくことが大きなポイントの一つだと感じています。

川村 確かにプライバシーの観点を含めたデータ活用の線引きは、今後ますます社会的重要性が高まると感じます。テラデータには世界中の自動車・輸送機器メーカーに対し、データを利活用した新しいビジネスやサービスを支援する豊富な事例があります。そんな線引きを考えていただくうえでもご参考になりそうです。

 例えば米国の大手自動車メーカーでは、コネクテッドカーのデータ使用許諾取得を進め、データを価値あるものに変えていく取り組みを進めています。具体的には、コネクテッドカーのセンサーデータとGPSデータを組み合わせ、舗装の状態が悪い場所を把握して自治体が迅速に修繕するのに利活用されています。この自動車メーカーはデータから洞察を得て、道路の安全性を高めて事故や渋滞を削減するというミッションを掲げていますが、その実現に向けた取り組みにテラデータが大きく貢献しているのです。

 データを価値に変える別の取り組みとして、欧州の大手鉄道車両メーカーの事例もあります。この事例ではハイブリッドクラウドを含むテラデータのスケーラブルなエコシステムを活用し、予測保守、資産の最適化、資産の透明性、部分的なエネルギー効率といったデータ分析を行っています。鉄道車両には常に故障のリスクがありますが、このメーカーでは4千億を超えるセンサーデータを分析し、列車の故障を予兆する予防保全により故障率を大幅に減少、99%の定時運行率を達成しました。これにより、顧客である鉄道事業者から100%の信頼を得ています。


村松 川村さんから紹介いただいた事例の中では、予兆診断に興味があります。日産としてもコネクテッドカーのデータをもとに、故障が発生する前の予兆を見つけることが大きなテーマだと考えています。話はさかのぼりますが私がテラデータの取り組みを知ったのは、2012年に米国へ赴任した前後のことです。そのときに実感したのはビッグデータを分析・利活用するためのツールの必要性でした。データの中から“宝”を見つけるのはデータサイエンティストなどの仕事ですが、彼らの仕事を効率化するには、テラデータが提供するようなツールが不可欠です。それに加え、テラデータは「データをどのように利活用すべきか」というアドバイスもしてくれます。私自身は、こうしたテラデータのサポートを高く評価しています。

データを利活用して「良いクルマをつくりたい」

------データ利活用に求める日産の“答え”とは何でしょうか。その答えを実現するための新たな施策や今後の計画について教えてください。

村松 データ利活用に求める“答え”についてのイメージは持っているものの、明確なものが出ているわけではなく、今まさに見極めようとしているところです。とはいえ、データ利活用が「良いクルマをつくりたい」というモチベーションにつながっていることは間違いありません。

 今後はデータ活用をもっと推進し、さらなる新ビジネスや新サービスを立ち上げることが目標です。そのために自社内にビッグデータを扱う専任チームも構成しています。データから得られたヒントをもとにして、常に新しいことを模索しながらビジネスやサービスの展開につなげていきたいと考えています。


川村 テラデータは今後も、日産が求める“答え”のために、さまざまな形で貢献したいと考えています。より暮らしやすい社会の実現を目指し、共に尽力させてください。

テラデータは「いまこそ、“答え”に投資すべきである」というメッセージを発信している。この“答え”とは、経営者から現場の担当者まで、意思決定を行う際に必要な判断材料となる情報を指す。いま欲しい“答え”は何か。その答えを導き出すために必要なデータは何か。そのデータはどこにあるのか。そのデータをどう分析すべきか。そうした観点からデータをとらえれば、アナリティクス投資の無駄を抑え、真に必要な“答え”を導き出すことができる。

 日産でも、いくつかの業務現場でテラデータのソリューションによるデータ利活用が始まっているという。こらからもテラデータは、日産の新しいビジネスやサービスを支えていくことだろう。

コネクテッドカーで取得したデータから新たなサービスを創出ビジネス価値をもたらすデータ分析プラットフォームとは?

 

コネクテッドカーで発生するデータ

コネクテッドカーから取得した膨大なデータの分析環境を整備することは、自動車業界のIT担当者や分析担当者に課された大きな使命だ。効果的なデータ分析環境を実現するには、最適なデータアーキテクチャーによってデータを統合し、実ビジネスでの利用にも耐えうるシステム基盤を用意する必要がある。


コネクテッドカーのネットワーク

場合によっては運用チームや分析チームの組織も見直さなければならないなど、決して一筋縄ではいかない取り組みとなるだろう。

だが、そうした苦難を乗り越えて完成したデータ分析プラットフォームは、目まぐるしく変化する自動車業界における競争優位性を確保するとともに、新たなサービスを創出するなど、次なるビジネスチャンスやビジネス価値をもたらすに違いない。

 テラデータはデータマネジメントやデータ活用方法から堅牢(けんろう)なデータ分析プラットフォームの構築・運用まで、データを活用して新たなサービスの創出を目指すあらゆる企業の戦略的な決断をサポートしている。


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