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ビッグデータを活用した次世代マーケティング

昨今、企業のビッグデータはさまざまな分野のビジネスシーンで活用されています。マーケティングにおいても導入されており、それを分析して活用することでマーケティングの効率が大幅に向上しています。ビッグデータを用いたマーケティングで最も特徴的なのは、個々の消費者に最適化された「パーソナライズドマーケティング」が可能になったという点です。これにより、一人ひとりの顧客に合わせたマーケティング戦略の立案とサービス提供が可能になります。しかし、実際にマーケティングにおいてビッグデータを活用するには、その活用の考え方や方法などについて理解しておく必要があります。そこで、本記事ではビッグデータとマーケティングの関係性について解説します。

マーケティングに関わるビッグデータとは

ビッグデータとは、企業などで管理および統合されている膨大な量のデータ化された情報のことです。ビッグデータには、大きく分けて構造化データと非構造化データがあります。構造化データとは会計報告のように一定のルールに従って作成されたデータのことを指し、一方で非構造化データはメール文書やプレゼンテーション資料など統一されたルールが存在しないデータのことを指します。


このビッグデータの分析によって、将来の需要予測や効果的なマーケティング戦略の提案が可能となり、マーケティングデータの価値が高まります。ビッグデータにはマーケティングに関わるデータも含まれていますが、具体的なマーケティングデータとしては以下の3つがあります。


  1. 業務データ:マーケティング戦略の質を評価するのに重要なデータが含まれます。例えば、商品の出荷データ、リソース配分情報、ソーシャルメディア関連のデータなどがあります。

  2. 顧客データ:顧客に関するデータのことを指し、最もよく使われるデータです。例えば、顧客の個人情報(生年月日や職業など)や顧客の消費行動(商品やサービスの購入数や購入日)などが含まれます。

  3. 財務データ:マーケティング施策の効果を評価するのに重要なデータが含まれます。企業の財務健全性を評価するための指標で、例えば売上高、営業利益、経常利益、コストなどが該当します。

ビッグデータをマーケティングで利用する利点とは

ビッグデータをマーケティングにおいて活用すれば、顧客に関する情報をミクロからマクロスケールで分析できるようになります。ここでは、マーケティングにおけるビッグデータ活用方法や利点について具体的に解説します。


クラスター分析を使った効果的なマーケティング戦略

膨大な顧客情報を効果的に分析する手法として、クラスター分析があります。顧客を項目ごとに分類して、データを解釈しやすいようにクラスター(集団)ごとに整理します。例えば、この整理された情報を使って顧客クラスターごとに異なるマーケティング戦略を立てることにより、効果的なマーケティングが可能となります。


顧客ごとに最適化したサービスを提供するパーソナライズドマーケティング

分類された顧客情報を分析すれば、将来の需要だけでなく消費者の行動予測が可能となり、マーケティング戦略に大きなインパクトをもたらします。


例として、通信業界における消費者の解約予測が挙げられます。顧客のビッグデータをもとに数理モデルを構築すれば、そのモデルで顧客の解約を予測できます。その予測をもとに、顧客が解約する前に特典や割引を提供するといった、さまざまな対策を取ることが可能となります。これがパーソナライズドマーケティングと呼ばれるもので、顧客クラスターごとあるいは個人個人のニーズに合わせた情報やサービスが提供できます。


ただし、予測の精度が低ければ、解約をまったく考えていない顧客に対しても得点や割引が提供されてしまう可能性があります。予測の精度を上げるには一定以上のデータの量や質が重要であり、その点について注意しておく必要があります。


プロジェクトの効果や課題の特定

マーケティング施策のあとも、大量のデータを集めて統計学的解析を行うことにより、マーケティング施策の詳細な効果を把握することが可能になります。また、マーケティング効果の分析と同時に課題も明らかとなるでしょう。つまり、仮にマーケティングで失敗したとしても、その失敗から多くのことを学び、それを次のプロジェクトに活かすことができます。


効率が高く客観的な市場動向の調査

ビッグデータにはさまざまな種類のデータが含まれているため、理論的にはこれを解析すれば正確な市場動向の調査結果を得ることができます。しかし、データ量が膨大なので、基本的に人間が手作業で分析することは現実的ではありません。そこで、通常はAIのようなコンピュータープログラムに分析させます。AIを利用することで、効率が上がるだけでなく客観的な結果を得ることができます。


ビッグデータをマーケティングで活用する際の注意点

マーケティングにおいてビッグデータを活用することのメリットについて解説しましたが、ビッグデータを扱う上での注意点についても認識しておく必要があります。


情報のサイロ化を解消してデータ統合を行う

企業には膨大な量のデータがあります。しかし、多くの組織において、部門間での情報共有といった連携を取らずに、おのおので独自に業務が遂行されているケースが少なくありません。このような場合、貴重なデータは各部門に分散し、かつほとんど使われない状態になっています。おのおのの部門が独立したサイロのようになっているため、このような状態は一般的に「情報のサイロ化」と呼ばれています。


ビッグデータを形成するためには、まずこのサイロ化を解消して企業内にある膨大な量のデータを統合する必要があります。データ統合を行うのは必ずしも容易ではなく、専門的知識や経験が必要です。したがって、データ統合のためのソフトウェアやシステムが利用されているケースが多くあります。


マーケティングのためのビッグデータ分析に適したIT人材の確保

ビッグデータを分析できても、マーケティングのデータを分析して意味のある結果を出せる人材はより限られてきます。また、マーケティング戦略は業種や分野によって異なるため、個々のデータアナリストにも分野によって得意・不得意があります。その点に注意して適切なIT人材を確保することが必要です。


データのセキュリティ対策

マーケティングのデータには顧客の個人情報が含まれていることについて、留意しておく必要があります。仮に顧客の個人情報を漏えいあるいは紛失してしまったら、企業の責任が問われ大きな損失を出してしまうでしょう。したがって、万全なセキュリティ対策を行っておく必要があります。


データの民主化が必要

ビッグデータを活用したより効果的なマーケティングを行うためには、データの民主化がひとつの鍵となります。データの民主化とは、データサイエンティストのようなIT専門家にだけでなく、すべての社員にすべてのデータを開放することです。そうすることで、おのおののアイデアに基づいてデータを分析してもらいます。全員が積極的にプロジェクトに関わることになるため、良いアイデアが生まれやすいだけでなく、コラボレーションの幅が広がる環境が整備されることになります。


まとめ

マーケティングとビッグデータの関係性について解説しました。国内外の多くの企業において、マーケティングにビッグデータが活用されている理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。今後すべての業界で、ビッグデータはマーケティングに欠かせないものになるでしょう。本記事で挙げたような注意点に気をつけてビッグデータを活用すれば、マーケティングの効率が上がるだけでなく、顧客ごとに最適化した、これまでにないマーケティング戦略を立案することができます。そして、それは企業業績の向上へとつながることでしょう。


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