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経営戦略にデータを活用するMUFG|データマネジメントを担うCDOが目指す”答え”とは

※ここに掲載しているコンテンツは、日本経済新聞 電子版広告特集「経営戦略にデータを活用するMUFG」として、2020年1月に掲載されたものの転載です。

2014年10月に日本の金融機関で初めてデータマネジメントにおける最高責任者である「CDO(チーフ・データ・オフィサー)」を置き、データ活用を積極的に推進してきた三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)。同社は今、どのようなデータマネジメントの取り組みを行っているのだろうか? MUFGにおけるCDOの役割とデータマネジメントの重要性について、三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役員 グループCDO 兼 経営情報統括部長の安田裕司氏と、データマネジメントプラットフォームのリーディングカンパニーであるテラデータ・コーポレーションの日本法人で代表取締役社長を務める髙橋倫二氏の対談を通じ、その“答え”に迫る。

CDOが設けられたきっかけはリーマン・ショック

------MUFGはどのような経緯からCDOを設置するに至ったのでしょうか。MUFGにおけるCDOの役割と所轄範囲についても教えてください。

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 執行役員 グループCDO 兼 経営情報統括部長 安田 裕司 氏

安田  CDOというと、多くの企業ではデジタル戦略を統括する「チーフ・デジタル・オフィサー」の略称として使っています。しかし当社をはじめとする金融機関では、データマネジメントに責任を持つ「チーフ・データ・オフィサー」を指すのが一般的です。


金融機関がCDOを設置するようになったきっかけは、2008年に起きたリーマン・ショックにさかのぼります。当時の金融機関は「どの顧客がどれだけの融資を受けているのか」という基本的な情報でさえ正確に把握できず、対応が後手に回っていました。その反省を踏まえ、2013年に世界の金融機関を監督するバーゼル銀行監督委員会(BCBS)が「実効的なリスクデータ集計とリスク報告に関する諸原則(BCBS239)」を定め、金融機関に対して順守を求めました。それを受けて世界の金融機関がCDOを置くようになり、MUFGでは2014年10月にCDOを設けました。


当社におけるCDOの役割は、データ管理体制の整備やポリシーの策定といったデータガバナンス業務を遂行し、データの正確性を担保することにあります。またデータを活用するための仕組みを導入・整備することも、CDOの大きな役割です。

ここで言う「データマネジメント」とは、各種システムに蓄積されたデータを経営戦略の意思決定に不可欠な重要資産と位置づけ、それらを常に活用できる状態に維持・管理することを指す。また「データガバナンス」とは、データを常時利用可能な状態に維持管理するために全社におけるデータマネジメントの方針やルールを定義し、実行に向けた計画策定や指揮運営を行うことだ。
安田氏が取り上げたBCBS239ではMUFGを含むG-SIBs(グローバル金融システム上重要な銀行)に対し、データガバナンスとデータアーキテクチャ、データ集計、リスク報告に関する11の原則について76項目に及ぶ基準を設定し、順守を求めている。MUFGではこれらの原則・基準の順守状況について毎年自己評価を行っている。こうした自己評価の取り組みを実施することにより、MUFGが取り扱うデータの正確性や品質が保たれているのだ。

データマネジメントの目的は「データ品質の向上」

------CDOの役割として「データガバナンス業務の遂行」と「データ活用基盤の整備」という2つを挙げていただきましたが、MUFGではデータマネジメントについてどのような考えを持っていますか。

日本テラデータ株式会社 代表取締役社長 髙橋 倫二

安田  データマネジメントにとって、データガバナンス業務の遂行とデータ活用基盤の整備は、クルマの両輪のようなものだと考えています。例えば当社ではクラウド上にビッグデータ基盤を用意していますが、その基盤を正しく使ってデータを活用するためにはルールを確実に守る必要があります。


これは何もデータマネジメントを統括するわれわれの部署、各部署のデータマネジメントの担当者、データ集計・分析の担当者に限ったことではありません。データを入力するグループ傘下の銀行や証券会社の社員、場合によっては取引先も含まれます。最初に間違ったデータを入力してしまうと集計したデータも間違ったものになるため、「データの品質を上げること」「データの使いやすさを整えること」には特に気を使っています。


髙橋  データマネジメントはビジネスで最大限にデータを活用するために行うべきことです。ところがテラデータの調査では、およそ8割の企業が業務に必要なデータにたどり着けていない、すなわちデータマネジメントが機能していないという結果が出ています。


安田さんがおっしゃるように、データの品質を上げたり使いやすさを整えたりするために、データマネジメントはどのようにデータを集めてくるのか、どのようにデータを管理するのか、さらにそのデータをどう活用するのかといったデータアーキテクチャを策定することが重要になります。データガバナンスを効かせたデータアーキテクチャがあればこそ、ビジネス上の意思決定に必要なデータを手に入れることができるのです。


御社のように、データの正確性を担保しながらデータを活用するための仕組みを構築し、職務権限に応じたアクセス管理といったデータマネジメントに、しっかりと取り組んでいることは非常に重要ですね。

安田氏によると、MUFGではデータマネジメントを徹底するために、データを入力・活用するグループ傘下の銀行・証券会社、海外の主要な国・地域の拠点にもCDOを置いている。それぞれのCDOを統括するグループCDOという立場にあるのが安田氏だ。またMUFGは、適切な職務の人が適切なデータにアクセスできるように、権限に応じた参照制御、セキュリティー対策も講じているという。

3層構造のデータガバナンス体制を整備

------MUFGではデータマネジメントに取り組むにあたり、どのようなデータガバナンス体制で臨んでいるのでしょうか。それぞれの組織の責任と役割について教えてください。


安田  MUFGでは「実際にデータを利用する人にとって、どんなデータがあればビジネスに役立つか」という視点に立って、3層構造のデータガバナンス体制を敷いています。第1線はリスク管理や経営管理のためにデータを収集・集約・加工して報告する部署、およびデータの入力・転送などの事務手続きやシステムの整備・開発・運用などのデータ生成プロセスに関与する部署が相当します。それぞれの部署にはデータガバナンスの責任者(データ・オフィサー)を置いています。


第2線を担っているのが、われわれ経営情報統括部です。経営情報統括部はグループ全体のデータガバナンスを統括し、データ利用部署・データ生成部署に対して助言や指導を行っています。具体的にはデータガバナンスを整備すべき領域の選定、データ・オフィサーの任命、手続きの作成、重要データ項目の設定、データ品質基準の決定、モニタリングの実施、有効性の評価・検証というPDCAサイクルを回しながら、データガバナンス業務の改善に取り組んでいます。さらに第3線として、内部監査部署がデータガバナンスの運用が適切に行われているかを評価しています。


髙橋  御社は「実際にデータを利用する人にとって、どんなデータがあればビジネスに役立つか」というところからデータガバナンスに取り組み、自社で策定したルールのほかに外部の指標も参考にしながら、しっかりと運用されています。またトップマネジメントがデータガバナンスの重要性を認識して取り組んでいます。これは非常に素晴らしいことであり、まさにテラデータが大切に考えているところでもあります。

MUFGを取り巻く内外の環境は、日々刻々と変化している。安田氏はCDOとして環境やニーズの変化を踏まえながら、課題解決のための基本方針を定めるなど、データガバナンスとデータ活用の双方の整備・高度化に継続して取り組んでいる。

MUFGが求める“答え”は戦略的意思決定の実現

------MUFGでは実際、ビジネスでどのようにデータを活用しているのでしょうか。また、そこでデータに強く求められるものとは何でしょうか。


安田  MUFGに限らず金融機関は、以前から“データありき”の経営を行ってきたと考えています。例えば店舗を設置・撤退するという判断も、データにもとづいて実施してきました。また従来の構造化データだけでなく、お客様から寄せられたご意見などの非構造化データをAIで分析して活用するといった取り組みも進めようとしています。経営課題を解決するにはデータガバナンス体制を整えるとともに、最新テクノロジーを駆使してデータを正しく使うことが大切です。


経営戦略を遂行するのにも、デジタル施策を進めるのにも、「データが正しい」ことが大前提となります。そのためデータには常に正確性を求めており、それがMUFGのビジネスを支える肝だと考えています。


正確なデータを提供するためには、経営者、従業員、株主などあらゆるステークホルダーが求めるデータを正しく提供するシステムが必要です。ただしシステムを構築するにあたっては、費用対効果も考慮しながら、すぐに効果が分かる短期的な視点に立つのか、あるいはリードタイムはあっても将来のビジネスにつながる長期的な視点に立つのか、そのバランスを見極めるところに難しさを感じています。


髙橋  御社が求める“答え”は戦略的な意思決定を遂行することにあり、それを実現するために安田さんは、CDOの立場からデータの正確性を重視したシステムを構築・活用しているということですね。テラデータと取引関係にある世界の金融機関でも、それぞれの“答え”の実現に向けたさまざまな取り組みが行われています。


例えば、データをもとに戦略的意思決定を遂行している英国の大手グローバル金融機関は、拡大する取引と多様化する商品により迅速なデータ分析ができないという課題を抱えていました。テラデータは、お客様のデータ基盤を統合し、迅速なデータ分析と戦略的意思決定を実現しました。その結果、生産性の向上や、各国の異なるコンプライアンスや規制への迅速な対応も実現していらっしゃいます。


また、米国の大手金融機関は、“顧客との信頼関係構築”の答えを求めていました。顧客とのやり取りのすべてをAI/機械学習で分析し、そこから得られた知見をもとに顧客に対してプロアクティブに商品やサービスを案内する仕組みを作り上げました。さらに金融詐欺対策にもAI/機械学習を取り入れ、詐欺行為の迅速な検知と対応を実現したことで、お客様からの信頼度が向上し、ビジネスの拡大にもつながっているそうです。


御社とも20年以上の付き合いがあり、テラデータのソリューションを長く活用していただいています。


安田  そうですね。現在もマーケティング施策におけるデータ活用を中心に、テラデータのソリューションを利用しています。テラデータの強みは、金融・銀行業界に詳しく、データマネジメントをよく理解し、実務に即したアプローチができるコンサルタントが支援してくれるところだと感じており、とても頼りにしています。


髙橋  テラデータはこれからも、データ活用に取り組む御社の業務効率化に向け、ソリューションの提供を通じてデータマネジメントのお手伝いをしていきたいと考えています。例えば世界の金融機関における成功事例などが、御社の取り組むデータマネジメント、データ活用のヒントになれば幸いです。そのなかで何かお気づきのことがあれば、われわれのコンサルタント、データサイエンティストがデータ活用の最適な方法やシステム実装を提案させていただきます。

MUFGとテラデータの接点は、1996年にマーケティング施策のためのデータ分析基盤としてテラデータのソリューションを導入したところから始まった。現在ではOne to Oneマーケティングを実現するためのツールを導入、顧客プロファイル分析や各種予測スコアリングモデルなどの構築も支援している。MUFGが目指す“正確なデータ”を担保するための基盤として、テラデータのソリューションは今後も大いに貢献していくことだろう。


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