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【TU-2】企業に人工知能をもたらす道|テラデータ


【Teradata Universe Tokyo 2017イベントレポート】

テラデータ・コーポレーションCTO ステファン・ブロブストのテクノロジー・キーノートに続き、アドバンスト・アナリティクス担当バイス・プレジデントのパトリック・デグロンが「企業に人工知能をもたらす道」というテーマで講演した。

デグロンは、素粒子物理学で博士号を取得し、ジュネーブ大学で10年間、宇宙の誕生について研究した後、イーベイ、モトローラ・モビリティおよびテラデータでビジネス・インサイトを得るためのデータ活用に携わってきた。

ビッグバンも消費者行動も分析の方法は共通している

ジュネーブにあるCERN(欧州原子核研究機構)では、ビッグバンの研究のため、地下に全周27kmのトンネルを作り、陽子のスピードを光速近くにまで高めることで、宇宙創成時(ビッグバン)レベルの高いエネルギーを発生させている。加速され衝突した陽子は、花火のように爆発し、素粒子を放出する。研究者は検知器を使って、その素粒子を測定する。

測定データは、ビッグデータとして蓄積され、それらを分析することで、新粒子等が発見される。その分析は、大量のセンサーデータや消費者行動データの分析方法と共通していると、デグロンは言う。

たとえば、イーベイのようなマーケットプレイスに出店するBtoC企業が求めることは、購買をはじめとする、Webサイトでの様々な顧客行動である。行動してもらうための有効な手段の1つは、クリックベースの有料広告(PPC広告)に出稿することだ。

有料広告の掲載位置はオークションとサイト品質で決まるが、適正な予算はいくらなのかが問題になる。それを知るためにはユーザーが広告をクリックしたタイミングと実際の購買との因果関係を分析する必要がある。

デグロンは、CERNでの分析と広告・購買の関係分析とは、よく似ていることを示した。

世界は今大きく変わりつつある

続いてデグロンは様々な発言を引用し、世界が今大きく移り変わっていることを示す。

たとえば、以下のような発言である

  • 「2000年以降、フォーチュン500社のうち50%が姿を消したが、その主な理由はデジタルである」(アクセンチュアCEO ピエール・ナンテルム氏)

  • 「S&P 500に含まれる企業の75%、2027年までにはなくなる」(マッキンゼー)

  • 「現時点で存在している仕事の35%~50%が自動化によって奪われるリスクがある」(フォーブス)

さらに、現在が「第4次産業革命」に向かっていることを指摘する。

第1次は1784年に始まる機械化、第2次は1870年からの電力化、第3次は1969年からのIT化と自動化、そして第4次は現在のIoTやAI、ロボティクス等によるサイバー・フィジカルシステムの進展である。

第4次産業革命の主な実現例は、自動運転、カスタマー支援ボット、レジなし小売店、パーソナルアシスタント、遠隔医療、自動インシデント診断とリカバリーなどである。これらの実現には機械学習の発展が大きく貢献しているとデグロンは言う。

アドバンスト・アナリティクスの役割

では、機械学習などを活用した「アドバンスト・アナリティクス」が企業において担う役割とはどのようなものだろうか。

デグロンは、記述的分析、予測分析、指示的分析の3つの段階があると説明する。

自動車を例に取ると、記述的分析は道路や車体にいま何が起こっているのかを把握すること、予測分析はGPSや地図データなどと組み合わせて今後どんなことが起こり得るのか予測すること、指示的分析とは予測分析を受けてコンピューターがクルマをコントロールすることである。

このうちアドバンスト・アナリティクスに該当するのは、予測分析と指示的分析である。

従来型アナリティクスにおいてはクエリーと統計情報があり、それらからレポートを作成すれば事足りた。しかし、アドバンスト・アナリティクスにおいては、より複雑なデータとモデリング手法を用い、自動的に意思決定することまでもが求められる。だが分析が複雑になるほど、競争優位が得られるのも事実だ。

アドバンスト・アナリティクスの成功基準

では、企業におけるアドバンスト・アナリティクスの成功基準は何だろうか。デグロンは以下の4つだと指摘する。

  1. テクノロジー:高度な分析、機械学習、ディープラーニングなど

  2. メソドロジー:評価方法、分析方法など

  3. プロセス:ビッグデータとアナリティクスにおける企業の成熟ステージ

  4. 従業員:データ・サイエンスに関わる人材とビジネスサイドの人材とのコラボレーション

テクノロジーにおいては、技術共有の場としくみが必要であり、その一例として、Think Bigのデータ・サイエンス・ラボが紹介された。

メソドロジーは、ユース・ケースとして蓄積することが重要であり、その例として、顧客離反予測、医療費不正請求防止、ハードドライブ故障予測などのユース・ケースを示した。

それぞれのユース・ケースには、

  • 「目的/問題」

  • 「期待される分析成果」

  • 「分析技法」

  • 「データやモデリングおよびデプロイに関する課題」

が記述されており、類似するユース・ケースをカスタマイズすることで、現在直面している課題を迅速に解決することができるようになる。

プロセスは、企業の成熟ステージである。Ad Hoc(その場限り)から始まり、Opportunistic(便乗的)、Repeatable(再現可能)、Managed(管理された)、Optimized(最適化された)、そして「AI検知&自動実行」と成熟していく。

従業員は、ビジネスよりからデータ・サイエンスよりの順に、エグゼクティブ、ビジネス・マネージャー、ビジネス・アナリスト、市民データ・サイエンティスト、データ・サイエンティストとなる。それぞれが求めるデータや情報とアプリケーションを適正に配分し、コラボレーション可能な環境を構築することが重要であるという。

市民データ・サイエンティスト(Citizen Data Scientist)とは、新しいツールやテクノロジーを活用しながら、データ・サイエンティストと協力して新たなインサイトを発見する一般のビジネスパーソンなどである。市民データ・サイエンティストが増えることが、データ・サイエンティスト不足の解消につながる。

  • 以上4つ(テクノロジー、メソドロジー、プロセス、従業員)の要件を備えること

  • セルフサービス・クエリーなどのツール類、トレーニングやWiki等による知識共有、ソリューション・エンジニアリングやQ&Aによるアドホック・サポート、そしてハッカソン等によるイノベーションの4つを実現すること

  • これらを可能とする堅固なアナリティクス・エコシステムを構築していくこと

が、アドバンスト・アナリティクスの成功につながると、デグロンは強調する。

テラデータの挑戦

では、企業のアドバンスト・アナリティクスの成功に向けて、テラデータはどのようなサポートをするのか。

まずテラデータ自身が最高レベルのアドバンスト・アナリティクス能力とノウハウを擁し、クラス最高の分析機能とコンサルティングを提供することで、多くのユーザーを獲得する。こうして得られた質・量ともに最高峰のユース・ケースをベースに、顧客企業の第4次産業革命での勝利を実現する。

デグロンは、このシナリオの実現のためには、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリングといった技術的課題への取り組みも必要であること、またその応用についてもゲノム解析、コネクティッドカー、IoTの活用など様々な難しいチャレンジがあることに言及して、話を締めくくった。

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