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株式会社山梨中央銀行における統合的収益管理システムの導入と活用


日本テラデータが提供する経営管理ソリューション Teradata Value Family+Teradata RDBMSによる実現

山梨中央銀行では、統合的収益管理体制の実現において、Teradata が提供する経営管理ソリューションパッケージ「Teradata Value Family」およびTeradata RDBMSを用い、個別仕切りレート、ABC原価計算、信用コストの計量化を、基礎的な手法・システムも併せて、半年間という短期間で構築しました。 同行における「統合的収益管理システム」および03年4月から全営業店を対象に試行中の「個社別採算管理システム」をレポートします。

統合的収益管理システム導入の背景と目的

現在のような低成長経済が長期化し、先行きに関しても不透明な時代においては、金融機関における収益管理は、従来までのボリュームに基軸をおいた「量」的拡大の視点から、経費はもとより、さまざまなリスクへの対処を含んだ「質」重視型の収益管理への転換が不可欠となってきています。また、選択と集中という思想の下で、限られた経営資源の効果的な活用やさまざまな施策を展開させていくために、多面的な分析情報や、高度な収益管理手法・体制の重要性も増しています。 このような背景下、山梨中央銀行では新・第7次長期経営計画(01年度~03年度)において、収益力の強化、健全性の維持向上を目的とした統合的収益管理体制の構築および同システムの導入を行っています。

統合的収益実現における構成要素

統合的収益管理の実現において、営業粗利益(資金利益+役務利益)に経費、信用コストを考慮した信用コスト控除後利益を重点管理指標と位置付け、それを構成する各要素についてそれぞれ以下のように計量化・高度化しました。

信用コスト控除後利益= 営業粗利益(資金利益+役務利益)-経費-信用コスト

個別仕切りレート(TP : トランスファー・プライシング)

  • 口座明細ごとに期間等個々の特性を考慮した仕切りレートを設定し、営業店の資金利益を確定

  • 営業店で管理できない金利リスクに関しては、責任部門に移転

ABC原価計算(ABC : Activity Based Costing)

  • ABCおよびCA配賦手法を併用し、納得性の高い、細分化された経費を口座明細ごとに把握

  • ABC配賦……活動(Activity)が経費を消費するという考え方により経費を活動別に配賦

  • CA配賦(Cost Allocation)……従来型の配賦方法であり、経費費目別に配賦

役務利益

  • 顧客単位に手数料、保証料額を算出(預金保険料・団信保険料・保証会社保証料)

信用コスト

  • 顧客単位に手数料、保証料額を算出(預金保険料・団信保険料・保証会社保証料)

ソリューション

同行では、TeradataサーバおよびTeradata RDBMSをプラットフォームに採用し、経営管理ソリューションパッケージ「Teradata Value Family」(以下、TVF)を導入することにより、統合的収益管理の実現を図りました。この採用決定は、Teradataの豊富な実績に加え、制度インフラでの卓越したコンサルティング能力、システムインフラまでの一貫したソリューション提供力を評価したものです。TVFでは資金粗利益、役務利益、ABC原価計算、信用コスト等を統合されたモジュールにより口座明細単位に算出し、一元的かつ整合性のある指標を把握することができます。

また、洗練されたパッケージおよび卓越したコンサルティング、導入サポートにより半年間でシステムを構築し、02年7月に実施したアナリスト向けのIRでは、地域別融資RAROA(リスク控除後資産利益率)を発表できました。

Teradataでは、経営管理だけでなくマーケティングについても一貫したソリューション群を提供しています。Teradata RDBMSをプラットフォームとした経営管理(戦略策定)、マーケティング(戦術支援)を進化・統合し、全てのデータを蓄積することにより、経営層から一般職員まですべての人が一貫性のある同じ情報をアクセスし(シングル・ビュー)、意思決定に必要な分析が、必要な時にいつでも可能なEDW(エンタープライズ・データ・ウェアハウス)を支援・推奨しています。

導入の効果

収益・リスク管理体制の強化 納得性のある収益・経費配賦をし、信用コストを計量化することにより、「収益」と「リスク」を統合的に管理する体制を構築しました。

経営資源の効率的な運用 各種指標を口座・顧客単位に一元的かつ網羅的に把握することにより、個社別、商品別、部門別、地域別等多面的かつさまざまな切り口での収益状況を把握、分析し、経営資源の効率的な運用を可能にしました。

営業戦略の拡大、システムの展開(高度化) システムにて算出した採算情報を活用することにより、マーケティングをはじめとする営業戦略を多角的に展開させることを可能としました。インフラ構築により、統合的収益管理の概念を取り入れた個社別採算管理システム、総合予算策定システムへ展開できました。

個社別採算管理システム概要

統合的収益管理システムにおいて、各種指標を算出するシステムインフラを構築することにより、さまざまな活用を行うことが可能となります。具体的な活用例として、個社別採算管理システムについて紹介します。

個社別採算管理システムを用いることにより、顧客ごとの取引採算状況を把握することができ、リスクを考慮した収益によって、収益性や効率性を評価・管理することが可能となります。

機能概要

個社別採算シュミレーション

  • 預金、貸出金、信用コスト、役務、経費を入力条件とした予想収益額、信用コスト控除後利益等のシミュレーションが可能

  • 預金、貸出金については、新規明細の入力だけでなく、既存明細の一覧表示および条件変更が可能

  • ガイドライン金利を適用した場合の予想収益額とシミュレーションとの比較表示が可能

  • 既存明細の年間平残値は、個々の約定に応じた将来12ヶ月のラダーを使用

個社別採算実績

  • 支店名、顧客番号、関連先(世帯名寄せ)を指定することにより、月次・期次・時系列での顧客別採算実績表の出力が可能

各種指標による順位別実績検索

  • RAROA、リスク控除後利益、貸出平残、営業利益等11項目の中から1項目を指定し、上位・下位30先の一覧表示が可能

  • 一覧表示された個社に関しては、個社ごとの詳細情報をドリルダウン表示することが可能

マトリックス別顧客セグメント分析

  • 格付&RAROA、格付&貸出金レート等4種類のマトリックスから1つを指定し、該当先数とリスク調整後利益額の一覧表示が可能

  • 一覧表示された先数を選択することにより、該当マトリックスに属する個社の一覧表示、さらに、一覧表示された個社に関しては、個社ごとの詳細情報をドリルダウン表示することが可能

システム概要

インターフェイス

  • 営業店はInternet Explorerから簡単にアクセスが可能

セキュリティ

  • ユーザ認証による不正アクセスの防止

他システムとの連携

  • 営業支援システム等他システムと柔軟に連携し、渉外履歴等を取り込むことにより、実態に即した渉外コスト等の把握が可能

今後の展開

同行では、今後の展開として、以下について実施および対応を予定しています。

支店別・エリア別・地区別実績管理

  • 個別仕切りレート、ABC原価計算等から算出した顧客別収益の積上げによる支店別・エリア別・地区別の月次収益管理

  • 各支店のマーケット別等多面的な切り口による実績把握

予算実績管理の高度化

  • 統合的収益管理の概念を取り入れた総合予算策定システムとの予算実績管理

「営業店経営プラン」(地域戦略書として、営業店のあるべき姿を描く企画書:自行開発)の高度化

  • 同プランに基づき、営業店自らが描いた戦略を実践していく過程において、活動実績の多面的な分析・管理を実現させ、また、その分析結果を踏まえ、新たな戦略・行動へと発展させていく効果を期待

統合リスク管理の高度化

  • 部門による効率的な資本配賦とリスク管理(信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスク)体制の強化、およびパフォーマンス評価(RAPM)への適用

プライシング

  • 個社別採算管理システムのプライシングへの適用


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