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地方銀行における勘定系システム共同化時代の情報系システムと統合データベースの意義


情報系システムの用法の変遷を展望する

銀行において情報系システムや統合データベースというと、勘定系システムやチャネル系システムから受け取ったデータを蓄積し、人間やサブシステムからのリクエストに応じて処理した結果(データ)を返すという、受動的なサービスを提供するだけのシステムをイメージすると思います。しかしそれは情報系システムの進化の過程での一時の姿に過ぎません。勘定系システムを共同化するほどの IT運用面の大きな改革を果たしたのに、情報系システムや統合データベースを古いコンセプトのまま放置しておくのはアンバランスです。本稿では、銀行の収益と顧客サービス向上のために果たすべき統合データベースと情報系システムの役割を説明します。

新しい情報系と統合データベースの利用形態の変遷には 1つのトレンドがあり、最近は「予測」と「リアルタイムの現場サポート」という使われ方の比重が増してきています。

情報系システムの利用形態を類型化した図1 をご覧ください。

1. レポーティング 定型帳票がたくさん出てくる機能が中心。収益管理システムや原価計算システムも、最初は決まった切り口のレポートを得るものでした。最初期の情報系の典型的な機能です。

2. 非定型分析 データベースマーケティングや、収益、原価計算システムでは、エンドユーザーの手で自由な切り口で検索し、分析できる機能が求められました。柔軟かつ高速な検索性能を有するリレーショナル・データベースと、高性能BIツール製品でこれを可能にしました。

3. 予測(モデリング、スコアリング) 例えばある人がローンを利用する確率、ある人が残高を大きく減らす確率、ある企業のデフォルト率を予測するという使い方です。高精度を求めなければデータマイニングツールを使って割と簡単に予測値は得られますが、ある程度のデータマイニングや数理の知識が必要になるせいか、日本の銀行でのユーザーは多くありません。

人間のユーザーではないが予測をしているアプリケーションソフトとして「個人ローン自動審査システム」等があります。

顧客満足や営業力、リスク管理力を高めるには、これだけでは十分でなく、リアルタイムでのデータ分析能力と、お客さまを面前にしている現場のその場へ情報を示して、最適なアクションを誘発することも必要です。

4. 業務システム連携 統合データベースはリアルタイムあるいはニアリアルタイムでデータロードされるようになりました。そのため本部ユーザーによる戦略的な意思決定のみならず、営業現場でのオペレーショナルな意思決定へと用途が拡大されています。

もともと銀行には勘定系システムからディレイド更新された情報系データベースがあったので、どこが違う?と思うかもしれませんが、実はかなり違います。新しい情報系システムは統合データベースと一体なので、勘定取引データ以外の収益情報、コンタクト履歴、ローン審査状況、インターネットバンキング利用状況など顧客に関する全情報を瞬時に把握することができます。

さらに通常、営業支援システムやローン審査システムなどのサブシステムはそれぞれがデータベースを持っていますが、本来は統合データベースに集約した方がムダがありません。実際に営業支援システムやコールセンターに個別のデータベースを持たせずに、直接統合データベースを参照、更新する形態のシステムを新たに構築した国内銀行も出ています。

5. イベントトリガー 普通は人間が意識してデータを見ないと、重要な情報が示されていてもそれを見逃します。

イベントトリガーは、データの内容が予め設定していたルール(条件)に合致した場合、該当情報をコンピュータが検出して人間に注目するよう促します。イベントベースマーケティングや経営ダッシュボードのアラート機能が良く知られた具体例です。これは「大口入出金先リスト」のような単純なものに止まらず、統合データベース全体に対する複雑な条件での検出処理も可能にしたものです。この機能によって、能動的に必要な情報をプッシュしてくれる情報系システムへと進化しました。

なお、特定のビジネスチャンス(イベント)を検知し、適切な対応をすぐに決定するためには、今発生したデータを見るだけではダメで、長い過去の時系列データから現在起きている事象を照らし合わせ、比較して初めて今起きている事象の持つ意味がわかります。つまり長期にわたる履歴データとその検索が必要で、イベントトリガー実装には非常に高いデータ処理性能が要求されます。

以上のような情報系システムを実現するインフラとして、Teradataデータベース製品群は以下のような機能を備えています。

1. データの抽出、変換、ロードと継続フィード Teradata には、並列処理のパフォーマンスを最大限に活かしてデータローディングをこなすユーティリティがあり、継続フィードと呼ばれる少量のデータをリアルタイムに近い形で Teradata に注入していくためのユーティリティも用意されています。

2. ストアド・プロシージャ、キューテーブル この機能は主にイベントトリガー、そして他の処理への自動連携を実現するために利用されます。テーブルもしくはデータの変化を検知し、後続するルールを実行する機能です。

3. サービス指向アーキテクチャ 例えば OLTPシステムや基幹業務システム、チャネル系システム等、他のシステムと連携する際にはサービス指向アーキテクチャの考え方にフィットする形でシステム連携が可能になっています。

4. 混合ワークロード支援 例えば 1,000名のユーザーがレポーティングを利用し、50名のユーザーが複雑な非定型分析を実行し、その裏ではデータが毎数分おきにロードされ、ロードされたデータを中心にイベント検知のロジックが 150本流れ、検知されたイベントや自動化ロジックに基づいて他のユーザーや他のサブシステムに対して通知や実行指示が配信される...このような環境が混合ワークロードの環境です。Teradata はこのような環境を支援するために、動的にそれぞれのワークロードに対して優先順位付けを行い、コンピュータ資源の割当を実施する機能を提供しています。

5. 戦術クエリーサポート Teradata には、複雑なジョイン処理を含む検索のみならず、単純で少量のデータを見に行くような質問(これを戦術クエリーと呼んでいる)に対しても高いパフォーマンスを提供することが可能です。

6. 二重化、レプリケーション 二重化、レプリケーション機能により、Teradata の可用度を高め、業務継続を強化することが可能となります。

アクティブ統合データベースの要素:


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