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アナリティクスを支えるエンタープライズ・ハイブリッド・クラウド WhyとHow


テラデータは、新戦略の奏功でアナリティクス市場での存在感を増しており、第三者評価機関からも高い評価を受けている。新戦略には3つ柱があり、そのうちの一つが「ハイブリッド・クラウド」だ。

テラデータが考えるハイブリッド・クラウド(Teradata Everywhere™)とはどのようなものか、どのようなステップで導入するのか、最新事例に見る課題と解決策を紹介する。 テラデータは、ガートナー、フォレスター・リサーチおよびインフォメーション・ディファレンスが2017年に発行した都合6つの評価レポートでリーダーポジションを獲得した。このような高評価を得られているのは、テラデータの新戦略が功を奏しているからと言えるだろう。

テラデータの新戦略とは、ビジネス・アナリティクス(Think Big Analytics)、エコシステム・アーキテクチャ(Teradata Unified Data Architecture – 以下Teradata UDA、アーキテクチャ・コンサルティング)およびハイブリッド・クラウド(Teradata Everywhere™)という3つの柱を相互に関連付けて提供することで、企業が抱えるアナリティクスへの課題に総合的に対応するものである。

アナリティクス専業ベンダーが考えるハイブリッド・クラウドとは?

一般にハイブリッド・クラウドは、キャンペーンなどでオンプレミスのコンピュータ・リソースのワークロードがひっ迫する際にその分の処理をクラウドで実行する、あるいはディザスタリカバリなどの目的で待機系システムをクラウドに確保する等のオンプレミスと組み合わせる目的でクラウドを活用している。

アナリティクスに特化した場合には、ダイナミックに使用できる分析環境としてクラウドを活用するという意味で使われる。このような環境が必要とされる背景には、データ活用のやり方が変わってきたことがある。

四半世紀前からDWHは存在し、コンサルタントが適切なKPIを設定し、それを計測することで経営改善に役立ってきた。今までは、KPIが決まれば、それに必要なデータを集めてきてDWHを作るという手法だった。現在は、データサイエンティストが試行錯誤しながら進めていくことが多くなり、分析の前にデータモデルを用意するというよりも、分析しながらデータモデルを構築するようになっている。

このような新しいやり方には、試行錯誤のプロセスが必要であり、パブリック・クラウドは、それらを容易に実現するのに向いている環境である。試行錯誤の末、パブリック・クラウドの環境でプロトタイプができあがれば、それをオンプレミスやプライベート・クラウドに移行すれば、短期間で業務利用できる。

このようなアナリティクスの手法を容易に可能にするのが、テラデータの提供する“Teradata Everywhere™”なのである。

テラデータが提供する“Everywhere”とは

他のクラウドベンダーと比較すると、テラデータはビジネス・コンサルタント、データサイエンティスト、アーキテクトといったビジネスの成功にコミットするソリューションおよびサービスを提供している。加えて、アナリティクス専業ベンダーとして必要なデータ蓄積と蓄積されたデータ活用のソリューションとサービスも提供している。つまりビジネス成功のために必要なソリューションおよびサービスをフルスタックで提供しているのだ。

逆に、プラットフォームに依存しないソリューションやサービスを提供していることが強みになっている。プラットフォーム依存しないことがプラットフォームに強く依存せざるを得ないクラウドベンダーによるベンダー・ロックインを回避し、顧客が自由にクラウドを選択できるメリットを提供している。たとえば分析ツールとしてクラウドベンダーが提供するサービスを選択すると、他のベンダーに移行するのは困難になることがあげられる。テラデータのソリューションとサービスであれば、好きなサービスを選択できる。だから“Everywhere”なのだ。

戦略的に1つ1つのピースを埋めてきたテラデータ

テラデータでは“Teradata Everywhere™”を実現するために、元々持っていたTeradata DWHをベースにビジネス・コンサルティング部門を整備し、データ活用を強化のためにThink Bigを買収し、さらに環境構築の強化を図るためにStackIQを買収した。戦略的に1つ1つのピースを埋めてきている。

このことが冒頭に挙げた3つの調査会社による6つのレポートで、テラデータがアナリティクス分野のリーディングカンパニーだという評価につながっているのだろう。

技術とライセンスの両面からサポート

“Everywhere”を具体的に可能にするには、技術的な側面とライセンス体系の2つの観点で考えられている必要がある。

技術的な観点では、たとえば総合的に顧客要望に応えなくてはならない大手ベンダーであれば、複数のDB製品があり、様々なプラットフォームに適正化しなければならない。一方Teradata Databaseのソースコードは1つだけなので、どのプラットフォームに対してもポータブルである。

シングルコードという意味ではOLTPに特化しているデータベースベンダーもあるが、アナリティクス向きではない。

ライセンス体系については、テラデータはユーザー・ニーズに応じて、同一ライセンスをオンプレミスでもクラウドでも使えるように変更した。どこで使おうと同じ4つのティア(Developer、Base、Advanced、Enterprise)というシンプルな体系であり、ユースケースに応じて利用期間・利用環境の選択が可能になっている。

このようなライセンス体系は業界初である 。

クラウド化の進め方

企業がクラウドに移行する5つの理由は大きく5つある。

  1. すぐに始められるということ。

  2. 簡単で直感的な使用感があること。

  3. 必要に応じてリソースをスケールできること。

  4. リソースとコストを最適化できること

  5. モダンな開発手法が試せること

一言でまとめると「新しいビジネスを始めるときに、スモール・スタートでリスクを軽減し、機会損失も軽減できる」から企業はクラウドを選択する。とはいえ、セキュリティが心配だという経営者やIT部門関係者は今も多い。

これに関しては、少なくともAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure(Azure)、IBM Bluemix(Bluemix)、Google Cloud Platform(GCP)の4大パブリック・クラウドは、FISC安全対策基準に対応しているので問題ないといえる。「FISC安全対策基準」とは日本独自のセキュリティ指標で、公益財団法人金融情報システムセンターが提示している基準であり、金融機関を中心とした企業のセキュリティ指標になっている。金融機関に対しては、金融庁がこの基準に基づいて金融検査を実施するため、FISC安全対策基準に対応しているということは、日本政府お墨付きの堅牢なセキュリティを実現していると考えてよい。

クラウド導入までの4つのステップが必要となる。

各導入ステップは図に示すとおりだが、この中で特に重要なことはコスト削減に重きを置かないことだ。特に、初期投資コストはむしろ高くなることがある、ということだ。全体的なコストを最適化し、TCOで考えることが大切だ(後述の「グローバル・エンターテイメント企業」事例参照)。

ビジネスニーズに合ったクラウド・モデルも重要な検討項目だ。一般的にはスモール・スタートならパブリック・クラウド、セキュリティを重視するならプライベート・クラウドとなる。ただし、パブリック、プライベート、ハイブリッドの3つのクラウド・モデルにはそれぞれメリットとデメリットがあるので、それらを考慮したきめ細かい検討が必要だ。

最新のグローバル事例

グローバル・エンターテイメント企業

あるグローバル・エンターテイメント企業では、経営からのトップダウンでクラウドへ移行することが決定した。そこでIT部門が実現可能性を検討したところ、クラウド移行にはシステムのダウンサイジングが必要なことが判明した。

これに対して、テラデータがTeradata IntelliCloud™での提案をしたところ、システムのダウンサイジングが含められていたことと、同社の想定コストに見合っていたため採用された。Teradata IntelliCloud™はテラデータが運用・管理を請け負うマネージド・クラウドであり、セキュリティに関してもテラデータが万全のサポートをする。データセンター型とパブリック・クラウド型 のいずれかを選択することができる 。

同社では、一部の項目でコスト増となっているところがあるが、トータルではコスト削減となった(下図参照)。開発環境-2のコスト削減は、ダウンサイジング(環境の廃止)の成果である。クラウドに移行したことにより、データセンター関連費用も削減されている。開発環境-1は、リザーブドインスタンスを選択したことにより、1年目のコストは増加しているが2年目以降のコストは削減できている。これらのコスト削減効果により、本番環境のコスト増を相殺し、トータルでのコスト削減につながっている。

総合食品小売

全米に展開する総合食品小売業者では、多数の店舗から集まってくるビッグデータを活用できるように分析基盤を強化して、ビジネスパフォーマンスを向上することが求められていた。またトップの方針で全てのITシステムをクラウドに移行することになった。

大きな課題は、より踏み込んだ分析のための柔軟なデータマートの構築、ミッションクリティカルなシステム向けのデータの作成、レポートシステムから分析システムへの変換、事業拡大に伴うデータ増加時のパフォーマンス維持の4つだった。

テラデータは、パフォーマンス維持を実現するためにデータセンター型のIntelliCloud™を提案、その他の課題も解決できる提案だったため同社に採用された。

グローバル消費材企業

あるグローバル消費材企業では、2013年からクラウドファースト戦略を展開し、2017年までにデータセンターを廃止したいと考えていた。

既存のTeradata環境とアプリケーションは変更なく移設したいという要望の他、オンプレミスと同等の性能が必要、大幅なコスト増加なしに移行したい、柔軟性のあるシステムにしたいといった課題があった。

そこでテラデータは、パフォーマンスの観点からDWHはIntelliCloud™に移行し、柔軟性を考慮してアプリケーションはパブリック・クラウドに移行する提案をし、同社に採用された。

グローバル運輸企業

あるグローバル運輸企業では、全世界に存在する顧客と拠点に対して、ビジネスソリューションを迅速かつ革新的な方法で提供したいという方針に基づき、開発環境とテスト環境をパブリック・クラウド上に構築することに決定した。

テラデータはMicrosoft Azure上にTeradataのデータベースを導入することを提案し、同社に採用された。同社はさらに「迅速かつ革新的な方法」の実現のために、テラデータが提供するエコシステム製品を将来的に利用することを視野に入れている。

シーメンス

シーメンスでは、デジタルテクノロジーの活用を顧客利益につなげることを目標に、データドリブン型のサービス基盤を構築することになった。

基盤の要件は、様々なデバイスへの接続が容易、セキュリティ技術の完備、新たなインサイトが得られる分析基盤が構築可能、ビジネスドメインの専門家とデータサイエンティストが協働できること、アプリケーションやビジネスモデルの構築が容易に行えることの大きく5つである。これらを実現する新しい分析環境をシーメンスでは“Sinalytics”と名付けた。そして、テラデータのエコシステムをSinalyticsのデータレイクとして採用している。

シーメンスの場合、データレイクに置かれるデータはIoTデータが主になる。

データレイクの置き場所に関しては、データのセキュリティレベルやパフォーマンスなど総合的な観点が必要だが、分析の観点でいえば、データレイクの置き場所は実はどこでも構わない。

“Teradata Everywhere”が実現するハイブリッド・クラウド

“Teradata Everywhere™”により、企業はマネージド・クラウド(IntelliCloud™)、パブリック・クラウド、プライベート・クラウド、オンプレミスを自由に組み合わせて分析環境を構築することができる。

どの環境を選択しても、手厚いサポートとビジネス目的達成のためのコンサルティングを受けることができ、しかも、Teradata製品はもちろん、テラデータ・エコシステム(Teradata UDA)に含まれる多様な製品群を利用することができる。

つまりアナリティクスに関するフルスタックのサービスを、柔軟かつベンダー・ロックインにならない環境で享受できるということである。このようなサービスを提供できるのは、テラデータがアナリティクス専業ベンダーだからであり、それこそが他社に真似できないテラデータの強みなのである。


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