株式会社さいか屋 | 顧客嗜好の把握とマーケティング活動の効率化にTeradataを活用

背景

経済全体が閉塞感につつまれ個人消費が伸び悩むなか、小売業界も競争の時代、勝ち残りの時代に入っています。商品力に重点をおく考え方から顧客中心の営業活動に重点をおき、ロイヤルカスタマーの識別やその囲い込みを強化することで、商圏内でのマーケットシェアの向上を支援する仕組みづくりが求められていました。

目標

記録としてとらえていたデータを将来を見通すためのトータルな営業情報として活用し、存続、成長していくための支援システムを構築すること。顧客管理、分析を行う"顧客データベース"の仕組みを利用し、営業力の強化と顧客識別マーケティングを実践し売上と利益の増加を目指しました。

結果

  • 精度の高い顧客データベースが完成し、優良顧客の識別やターゲットされたマーケティング活動が可能となりダイレクトメール(以下DM)発行頻度や発行枚数を減らすことで大幅にマーケティング経費を削減

  • 売場単位で発送するDMのレスポンス率が最大50%、全館単位で最大30%を達成

  • データウェアハウス導入以前はDMのレスポンス率が8~10%程度であったため3~5倍の精度向上

会社概要

株式会社さいか屋は、明治5年(1872年)に創業し130周年を迎えます。横須賀に呉服店を開いたのが現在のさいか屋の前身で、それ以来、時代や社会の変化をいち早くキャッチし、常にお客様にご満足いただける商品を提供してまいりました。現在では、川崎、横須賀、藤沢の3店を中心に、地元の皆様に信頼され愛される店として、各地域で一番店の地位を確立、神奈川県下でも有数の百貨店として成長を遂げています。

課題

以前はホストで顧客データの管理、分析を行っていました。そのため、分析の切り口も固定的で、帳票ベースで各部へ配布していたため柔軟性に乏しく、また、データの更新や分析にも膨大な時間がかかっており現場でタイムリーなアクションに結びつけることが難しい状況にありました。
現場で本格的にデータを活用することで、地域密着型の百貨店として顧客囲い込みを促進するマーケティング活動による商圏内でのマーケットシェアの向上を狙っています。また、ロイヤリティーの高い顧客を識別し、効率的な来店促進のアプローチを行うことや、売り場での接客にデータを活用し販売力の強化を目指します。一方、本格的な顧客識別マーケティングの展開に向けて、“SAIKAYA A.Mカード”の会員数を増やすことも大きな課題でした。

ソリューション

彩友計算センターにTeradataデータウェアハウスを設置し2001年10月より稼動を開始しています。各店舗の売り場担当や本部のマーケティング及び外商メンバーなど約400名が常時Teradataにアクセスし、日々の戦術的意思決定とアクションに利用しています。全売上の80%がカード保有者とすることを目標に、1998年より3カ年計画で会員の勧誘活動を展開しました。
新たにAMカード推進部を設置し勧誘活動専任部隊による顧客訪問を展開し、2003年1月現在では、“SAIKAYA A.Mカード”の会員数は29万人、カード保有比率は全体売上の65%に到達しました。

導入効果

販売、顧客データをデータウェアハウス上に蓄積し、現場のニーズにスピーディーかつ柔軟に応えられる分析環境が整いました。これにより、地域密着型の百貨店をめざす同社の今後の戦略を強力にサポートする仕組みが完成しました。プロモーション実施に関してTeradata導入以前は大量のDMを全館一律で顧客に送付していましたが、売り場単位で小ロット印刷によるDMを送付できるようになりました。プロモーション計画立案やその企画内容に応じたターゲット顧客の選出を売り場担当者が行います。顧客の購買履歴を分析し、よりレスポンスが高くなるような顧客セグメントを導き出しすことで少量で効果的なDMを実施できるようになりました。

事実、Teradataの活用により、全館数万単位で発送するDMのレスポンス率も最大で30%に、また、売り場毎に発送する小ロットのものでは、最大50%に達することもあります。従来、8~10%であったDMレスポンス率は、Teradataの活用により3~5倍と精度が向上しました。

具体的には、ある婦人服売り場での催事でDMを100通発送した結果、売上げが350万円に達したという例がありました。同社では、1999年にグループマネージャー制度を導入し、1店舗を約45のグループに分けています。一つの売り場で月に2回のDM発送をした場合は、350万円×2回×45グループ=3億1500万円の売り上げが想定できます。各売り場、店舗がさらに顧客を理解するよう努力し、活動を行うことで確実な売上の向上につながります。成功した売り場では現在も継続的に販促活動を実施しています。また、成功例のみでなく失敗例を全社で共有しさらなる効果的なマーケティング活動に活かしています。以前は、催事を企画した際にその効果分析ができず、成功、失敗の評価が難しい状況にありました。現在では即日結果が得られるため売り場の評判もよく、社員の意欲向上にもつながっています。また導入以前は、売り場で優良顧客の把握ができていると考えていましたが、データ検証の結果認識されていなかった超優良顧客の発掘につながり新たなアプローチが可能となりました。今後も引き続き、顧客データベースを活用してさらなる営業力の強化を図っていきます。

Teradata を採用した理由

3社製品との比較検討の結果、ユーザーニーズに対応するためのカスタマイズの容易さやシステム稼動までのスピーディーさなど、同社の現状にあった使い易い仕組みであったTeradataの導入を決定しました。
Teradataは日本の百貨店に対するデータウェアハウス導入実績が多く、安心してシステム構築、運用後のサポートを任せられると判断しました。

地域間競合が強まり商圏が益々狭隘化してくる中で“勝ち残っていく”には、顧客シェアを常に確実に確保していくことが重要です。自店の顧客を明確に識別し、分析し、的確な販促をタイムリーに企画実施し、その結果ストアロイヤリティの高い顧客を囲い込んでいく施策を継続していかねばなりません。 顧客の日々のお買い上げデータを瞬時に分析し、販促企画に即座に反映できる最適なツールとしてTeradataを導入しました。Teradata への当社からの注文は、短時間の研修ですぐに活用できる仕組みに仕上げてもらうことでしたが、要望通りの仕組みにでき上がり、第一線の販売員が活用し成果を挙げております。 


株式会社さいか屋
営業推進室 室長
二見 暁 様