株式会社千趣会 | 国内大手の通信販売会社が、Teradataのeビジネス・ソリューションを導入し、Webサイト顧客分析によるCRMを確立

背景

株式会社千趣会は従来からのカタログ事業に加えて、新たにインターネットによる販売を開始しました。カタログ販売で購買した顧客ベースとインターネットから購買した顧客ベースを統合することで、顧客のニーズや嗜好を的確に把握、顧客の満足度を向上させるとともに顧客一人当たりの購入額を最大化したいと考えていました。

目標

日々増加するクリック・ストリーム・データを蓄積するための大容量データベースを構築し、顧客のWebサイト上の行動分析をすることによって、購入履歴だけでは把握できなかった、顧客の本当のニーズを引き出し、優良顧客の発掘・維持と利益拡大を目指しました。

結果

Teradata E-ビジネス・ソリューションを新たに導入したことで、インターネット販売とカタログ販売のデータウェアハウ スの連携を実現、マルチチャネル戦略が可能となりました。その結果、カタログとインターネットの両メディアのシナジー効果により、顧客一人あたりの購入額を最大化することができました。 また、クリック・ストリーム・データの分析により、個々の顧客のニーズや嗜好にあったバナー広告やメールでのプロモーションなど、従来の環境では実現できなかった困難な分析が可能となりました。 その結果、これまでは知ることができなかった顧客の真のニーズを得ることができました。

会社概要

通信販売カタログ「ベルメゾン」で親しまれている同社は、1955年に設立され、日本の代表的な総合通信販売会社として知られています。 1976年にカタログ事業を開始して以来、20~30歳代の女性をターゲットとして、今ではカタログ会員数約800万人を擁しています。1996年に開始したインターネットの会員数も100万人を超え、順調に成長しています。 ファッション衣料のみならず、インテリアや日用雑貨、スポーツ衣料、子供・幼児向けの出版など多彩なオリジナル商品を開発し、様々なニーズに応えています。

課題

同社は、それまで展開してきたカタログ販売において顧客管理とカタログ販売の効率化の観点からデータウェアハウスを構築し、順調に売上を伸ばしていました。 また、1996年から新たにベルメゾンネットという名称で始めたインターネットによる販売は、時代のニーズを反映し予測を上回る速さで成長していました。 しかし、異なる販売チャネルの顧客情報は個別に運用され、顧客情報の統合化はマーケティング展開の上から急務な課題となっていました。 また、インターネット販売においては、提携他社サイトから流れてくる顧客の購入率、メールによるプロモーションやWebサイト内のバナー広告などの企画の効果、顧客タイプごとの購入確率など、顧客の行動を知るためのネット販売特有の情報が不足していました。 そこで顧客情報を統合し、様々な手法で解析することは、顧客満足度の向上と顧客の購買価格の最大化、および戦略的なマーケティング活動に不可欠なものでした。 「従来の通信販売企業におけるデータウェアハウスの利用法では、おもに購買履歴などの過去のデータが中心となっていました。しかし、顧客の生活環境や興味などは日々変化するものであり、過去のデータの分析だけでは顧客ニーズの変化に十分対応できないと感じていました。 今現在の顧客のニーズをいかに汲み取り、マーケティングに活かしていくかが課題となっているのです。」と、同社デジタルメディア開発部次長の星野裕幸氏は語っています。

ソリューション

対面販売型の小売業の場合では、課題を比較的簡単に解決することができます。 ショールームを見渡し、買物客の基本的な人口動態構成とその顧客が興味を持っている商品を把握し、信頼できる店舗レイアウト手法を用い、顧客を特定の商品に誘導します。 つまり、顧客の行動パターンを詳細に観察することで、比較的容易にターゲットとする顧客のニーズを把握し、必要とされる戦略を立案できるわけです。
このことはインターネット販売の場合も同様です。どのような顧客がWebサイトにアクセスし、関心のある商品は何か、「店」の中でどのように動いており、何に興味があるかを知りたいと考えます。これを把握するには、Webサイトで生み出される膨大なクリックストリーム・データのマイニングを行うことが有効です。 クリックストリーム・データは、サイトビジターがマウスをクリックする都度、サーバ上の新しいページ、商品の写真、バナー広告などのさまざまな情報を記録します。そして、クッキー(特定客のオンライン上での動きを追跡するデータ)は、クリックストリーム・データに意味を持たせ、リアルタイム・ウェブ・カスタマイズを実現するのに役立ちます。
例えば、ある顧客が前回はいつWebサイトにアクセスし、どのような商品に興味を示したかをクッキーによって明らかにすることができます。 この情報をもとに、次回顧客がWebサイトにアクセスした際には、顧客の興味の高い商品や情報を優先的に提供したり、関連するバナー広告を自動的に表示することができます。 同社では、これらのクリックストリーム・データ、クッキー、セッション化技術(ウェブデータをグループ化して顧客の特定の活動を反映するパッケージにまとめること)、そしてデータの活用手法の組み合わせでこれを実現することができました。 さらに、既存のカタログ販売のためのデータウェアハウスと合わせた大量のデータの分析結果と最新の人口動態プロフィールとを組み合わせることで、顧客群の購買動向を予想することができ、従来知り得なかった顧客像を顕在化させることができたのです。

導入効果

カタログ販売、インターネット販売は双方とも基本的に顧客と直接対面しません。とは言え、顧客と人間味のない関係を築いているのではありません。例えば顧客がマウスをクリックするたびに、企業は自社のWebサイトを訪れた顧客について深く理解することができます。 同社では、インターネット販売のデータと従来のカタログ販売のデータウェアハウスに蓄積されている顧客データを統合することにより、顧客との関係をより深く把握することができるようになりました。 

TeradataのEビジネス・ソリューション導入により、同社はクリック・ストリーム・データを収集・分析することが可能となり、同社のWebサイトにおけるバナー広告、Webサイト内のショップ企画、メール広告、メールマガジン等さまざまなプロモーションの効果を正確に把握し、継続的な改善を行うことができるようになりました。 また、Webサイト上での顧客の行動を細かく分析し、個々の顧客のニーズを正確に把握し、より有効なプロモーションを行うことができるようになりました。 カタログとWebサイトによる販売方法のマルチチャネル化により、両メディアの特徴を上手に生かし、相乗効果を生むことができるようになりました。

例えば、カタログ販売では、顧客との接触回数は限られたものとなりますが、カタログにURLを表示しインターネットに誘導することで、顧客との接触頻度を向上させることができます。一方、インターネット販売では目的買いが多いため、平均購入単価が低くなりますが、カタログ請求へ誘導することにより顧客の購買目的を多様化させることができました。 

Teradata を採用した理由

同社では、インターネットによる販売を開始して以来、日々増加しつづけるクリック・ストリーム・データを的確に管理・分析することにより、将来のマーケティングを方向づけるレポート作成が可能なソリューションを求めていました。この課題に対し、同社はTeradataプロフェッショナル・サービスにアドバイスを求めました。 1995年以来Teradataウェアハウスをカタログ販売の顧客情報分析のために利用していたため、同社はそのスケーラビリティと分析機能については充分な知識を有していたからです。「これまで蓄積してきた顧客データ、カタログ配布履歴データ等の情報資産にWEBサイトを訪れた顧客情報を加えることで、さらに顧客との関係を深めることが重要でした。 マルチチャネル戦略を実現する情報基盤/ソリューションとしてTeradata/Eビジネス・ソリューションが最適だったのです。」と、星野次長は採用の理由として付け加えています。

クリック・ストリーム・データの分析が、個々の顧客の「今」のニーズを把握するほぼ唯一の現実的な方法だと思います。勿論、分析するだけでは意味がありません。インターネットという低コストなマーケット手段と結び付けて活用することにより、利益の向上に役立つと考えます。弊社は2001年には携帯によるモバイル販売も開始し、マルチチャネル戦略を展開しつづけており今後の事業拡大に多いに期待が出来ます。


株式会社千趣会
デジタルメディア開発部
次長  星野裕幸 様